「アニポスで行われている寄付は、実際にどのように使われているの?」
ペット保険金らくらく請求アプリ アニポスを提供する弊社、株式会社アニポスでは、アプリの利用数に応じて動物団体へ寄付を行っております(寄付金の原資は弊社負担です)。
寄付を行っていることをご存知の方も多いと思いますが、
「アニポスが寄付を行うことは良いけど、寄付金はどのように扱われてるの?」
「本当に動物の役に立っているの?」
気になる方も多いのではないでしょうか?
そんな声に応えるべく、アニポスが過去に寄付を行った動物団体様に対し、インタビューを実施いたしました。
第1回は、鳥取県倉吉市にあります、公益財団法人動物臨床医学研究所「人と動物の会」アミティエさんにインタビューをさせていただきました。
出席者
公益財団法人動物臨床医学研究所「人と動物の会」:秋田さん
アニポス:北條な(ファシリテーター),北條ひ(サブファシリテーター),長尾,中村
もくじ
Q.動物臨床医学研究所「人と動物の会」様の概要を簡単に教えていただけますか?

秋田さん:動物臨床医学研究所「人と動物の会」は鳥取県倉吉市にあります。本研究所は鳥取県と契約を結んでおりまして、鳥取県動物愛護センターという名前も持っています。
東京にも間口を広げるため事務所があることもあって、今はアミティエの中から(この)インタビューを受けています。
活動内容はHPにもあるように鳥取県内の保健所から犬猫を引き取って新しい家族に引き渡す事をやっています。
特徴として、私たちの団体は公益法人なのですが理事長、所長も全て獣医師です。獣医師がメインメンバーである団体というところが他の団体と違うところですね。
北條ひ:アニポスのCEOも獣医師で、共通点を感じますね。
北條な:我が家の猫も獣医師から迎えました。安心感がありますよね。
(雑談)
北條ひ:団体の名称はどちらが正式な名称なのでしょうか?
秋田さん:「人と動物の会」が事業名で、「アミティエ」は場所を指します。
Q.寄付金は、具体的にどのような活動や用途に使われているのでしょうか?
秋田さん:アニドネさんから寄付して頂いた当時、子猫が6~7頭入ってきたタイミングでした。腹膜炎またはエイズを発症していたので、アニポスさんの寄付金は2頭の子猫の医療費へ充当したのを覚えています。
一頭は無事回復し、里親に譲渡することができました。
しかし、もう一頭は亡くなってしまいました。治る病気、治らない病気があります。合併症を起こすと回復するのは難しいです。はじめは元気でしたがご飯を食べなくなり、亡くなってしまいました。
北條な:医療費はやはり負担が大きいのでしょうか?
秋田さん:入院費がかかりますね。
北條な:寄付金はほとんどが医療費なのでしょうか?
秋田さん:色々と使わせてはもらっていますが、施設内の子もほぼエイズで、医療費がかかります。病気や相性で部屋を分ける事が難しいです。部屋がいくらでもあるわけではないので。
他の子に感染らないように定期的に検査もしつつ、業務を行っています。
人懐っこい子でも、やはり元気であることが譲渡の条件となることが多く、持病があるだけで足切りされてしまう場合も多いです。
北條な:保護した猫ちゃんは貰った時から病気の子が多いのですか?
秋田さん:持病のある子が多いですね。
北條ひ:施設内の犬猫の割合をお聞きしてもよろしいでしょうか?
秋田さん:今の犬猫の割合は2/3が猫ですね。猫には時期的なものがあります。
犬は時期的ではなく通年を通して受け入れがあります。
北條な:保護犬・保護猫はどこからが多いのでしょうか?
秋田さん:鳥取県内の保健所が受け入れた子が当施設に来ます。保健所と一体となって保護活動を行っています。
北條な:里親へ向けて定期的な譲渡会があるのでしょうか?
秋田さん:365日が譲渡会ですね。加えて、毎月1回フェスタを開催しております。
犬のしつけ教室・ふれあいの時間を設けたり、話をしながら保護犬・保護猫の理解を得る時間を作っております。

北條な:SNSも活用してますか?
秋田さん:SNSでも告知しています。あと、鳥取県では保護犬・保護犬と里親を結ぶマッチングアプリもあります。県が主体になって取り組んでいます。
Q.貴団体が社会に対して広く認知させたいことがありましたら教えてください。(SNSやメディアで流布している情報と実情の違いなど)
秋田さん:一般的な活動されている方にはほぼ認知されていると思います。この保護活動の現状をどんどん広げて、さらに動物保護活動・愛護活動の理解者を増やす活動が必要かと思います。
北條ひ:保護活動・愛護活動が広がっていけたらなという感じでしょうか?
秋田さん:現状をどんどん広げて、さらに理解者を増やす活動は必要だと思いますね。
北條な:今回伺えたからこそ知れた、「部屋が沢山ないといけない」ということも一般の皆さんは知らないですよね。医療費の高さですとか。
秋田さん:病気ごとに部屋を分ける処置などは難しいところで、誰でも(どの施設でも)できるわけではないです。でも、そこをやっていくということがうちの理事長の考えでもありました。
「絶対病気をうつしてはいけない。その時点で不幸になる」と言う考え方で、部屋を分けています。
徹底的に医療を追求して病気をなおしてあげます。そして終の家族に迎えられるようにしてあげるということが最大の目的だということです。
北條な:保護団体さんは経営的には寄付金で賄っている状態ですか?
秋田さん:他の団体さんについては、わからないので、言い切れませんが、そうですね。ほぼ寄付だと思います。単に寄付と言っても、お金の寄付もあれば物品の寄付もあり、アニポスさんやアニドネさん、アマゾンさん等色々な企業が賛同して様々な寄付をして頂いております。非常に助かります。
北條な:寄付は月ごとに会員になるのではなくて、企業ごとに好きな時に好きな金額を寄付してるのですか?
秋田さん:当施設は東京に「人と動物の会」という事務所を設けておりまして、一部会費を頂きながら毎月の寄付やその都度寄付を頂いたりしています。さらに獣医師関連のつながりで、動物病院に募金箱を置かせて頂き、寄付を頂いています。
北條な:運営の資金は十分なのでしょうか?
秋田さん:鳥取県から委託を受けて運営しておりますので、人件費についてはある程度の補助をもらっています。この補助がないと人件費は賄えません。
北條ひ:このように県と契約していないと助成金は出ないのでしょうか?補助をもらっていない他の団体は、有志で保護活動をしているのでしょうか?
秋田さん:基本的に当施設は公益財団法人ですので、一般法人ではありません。
一般の営利団体・法人が事業として保護活動をしておられたりします。
他にはNPO法人を立ち上げられたりしながら、業界とのつながりを持ってその費用で運営されているというのが多いのではないかな思われます。
北條ひ:その団体によって多種多様なんですね。
秋田さん:そうですね、全く違いますね。一番多いのはNPO法人さんだと思います。
ただ管轄が国であったり県であったり市町村であったりするのでその管理の度合が全く変わってきます。
当施設の場合は内閣府管轄になるので、内閣府への届け出を出したり、その調査を受けたりという形になります。
Q.団体として、動物福祉に関する目標や計画はありますか?将来的にどのような貢献をしたいと考えていますか?

秋田さん:理事長や所長は更に先を見ていると思いますが、この施設は今年10年になります。
一昨年はクラウドファンディングをさせてもらったり、寄付金でドッグランや猫舎を作って頂いたりと、恵まれた施設になっています。
今後も鳥取県倉吉市にアミティエという施設があると広めつつ、動物福祉に関しては徹底しているので、更にそれを「維持」していく、そして維持の難しさはこれから感じていくというところでしょうか。新しいことは僕には今は思いつかないですね。
北條ひ:アミティエさんの施設の規模は、現時点で既に大きい印象を受けます。
秋田さん:一獣医師が始めた施設とすれば、結構大きな規模だとは思います。
長尾:先程病気等での保護猫の部屋を分ける必要があるとありましたが、部屋を分けるとその分その子達をみる労力もいると思いますが、それを施設外のボランティアさんなどの一般家庭にお願いするとかはされていますか?譲渡までの間預かってもらうという感じで。
秋田さん:預かった子を更に預けるのは契約上NGなのでしていないですね。
長尾:元気な子猫だけでも預かってもらえたら部屋が少しでも空くのかなと思いましたが、難しいのですね。
秋田さん:元気な子や子猫というのは、HPにアップしてすぐや、鳥取県から譲り受けた時点で見に来られて貰われていく感じですね。
長尾:皆さん健康な子がいいのですね。ただ、病気と言っても猫エイズなど発症しないまま寿命を全うできるような子もいるし、そのあたりは譲渡してもらう側の知識として啓蒙していかないとだめかなと思います。
秋田さん:そうですね。
長尾:そういう啓蒙活動をアニポスでも担っていけたらいいですね。

(施設の写真等を見ながら)
北條ひ:アミティエさんの施設がとてもきれいで広くて、譲渡した後の一般家庭の敷地と比較してしまうと、元気なわんちゃんにとってはこの施設のほうが幸せなのでは?と考えてしまいます。
秋田さん:新しい飼い主さんのもとで犬の気持ちが安定したらまた遊びに来てもらったらいいと思います。
ここにずっといるということが幸せではないですから、そこなんですよね。
やはり、譲渡して家庭の中で一緒に家族として暮らしてあげるということが一番ベストでなんだと思います。
北條ひ:保護して、治療して、元気になって里親の元へ巣立っていくときはやはり寂しいですか?
秋田さん:もちろん僕らの感情としては寂しくはありますが、次にドッグランに遊びに来たときに犬の顔が変わっているんですよ。
当施設にいた時とは明らかに表情が変化しているので、それを知ってしまってからは、 やはり後者の方の気持ちを大事にすると言いますか。
僕らがお世話した子たちが譲渡されていくのは当然寂しい気持ちはあるとは思いますけど、今以上に幸せになって、変わって、また新しい生き方ができるんだなって思ったら、犬たちの幸せの方が大事だと思いますので。
北條な:表情が変わるんですか!それはすごいです。
秋田さん:いや、明らかに変わりますよ!!顔が、表情自体が変わってきますので。
北條ひ:譲渡してもらう飼い主目線ではなく、保護してる方々視点で譲渡を考えると、なんだか涙腺が緩んでしまうお話ですね。ありがとうございました。
Q.もし、この世の中に動物に関する法律を1つだけ作ることができるとしたら、どんな法律をつくりたいですか?
秋田さん:法律ですか。なかなか難しいですね。あくまで僕の感覚ですが、法律を作るというより、現状の法律をもう少し区別化させていく方が建設的だと思うんです。
今でいうと、動物愛護法が今トップ面に出るじゃないですか、動物愛護法では「命あるもの」と表現されているようですが。でも、それは刑法の範囲の話だと思うんですよね。ですが、刑法を膨らますのもそれはそれでしっかりやって貰いたいですけど、やっぱり動物っていうのはいろんなところで人とものとの間に来てるので、そこを区別化しないと絶対変わらないと思うんですよ。
で、そこを憲法なのか、民法なのか、両方あるかとは思うんですけど、いわゆる扱いの違い、 人とモノとの間に動物が存在するんだよっていうのを認識してもらわないと、いつまでたってもモノはモノ、人は人のままです。で、 “人とモノの間に位置する動物”という感覚を持ってる人と持ってない人っていうのはやっぱ違いますよね。ですから、勝手に捨てちゃうということも少し難しくはあってもできるじゃないですか。 だけど、実際人間の子供を捨てるって絶対不可能ですよね。そこの違いだと思うんですよね。 同じ感覚だったら、厳しさも同じ感覚ですし、甘やかせてもダメだし、厳しすぎてもダメだし、その感覚を人間がどういう風な意味合いで捉えるか。 何回も言いますけど、人と物との間の法律っていうのを作らないと、絶対前には進まないと思いますね。
北條な:そうですね。今は動物はモノ扱いなのを残念に感じます。
秋田さん:モノ扱いですよね。どの業界でもやっぱりモノなんですよね。 そしていろんな法律があって、いろんな感覚があります。サービス、同じ医業・獣医業に関してましても、 感覚が違うんですよね。扱いが。いや、感覚の違いは1つの法律だけじゃなくて、全部の法律に該当すると思います。
それを1つ1つ直していかないとなかなか難しいですよね。それはやっぱりその人の感覚だと思いますね。こんな感じで答えになってるでしょうか。
北條ひ・北條な:ありがとうございます。
長尾:すごくよくわかりました。
北條ひ:社内でも動物の扱いが、より人に近くなっていった方がいいよねという話はされています。ペットへの医療や保険・サービスに関しても、人間の子供に対してのサービスを参考に動物たちにアプローチできないか?みたいな議論は頻繁に行われています。動物に対しての地位の向上や価値観・方向性はアニポスと近いものを感じました。
北條な:そうですね、住民票を動物に作ったらどうなるんだろうみたいなとか。狂犬病予防法で登録が義務付けされているようですが、それぐらいですよね。保険に入らなかったら何もないっていう状態は課題を感じています。
秋田さん:動物の社会的地位の向上に関しては日本は完全に欧米より遅れてるところはあるかと思いますね。
長尾:やっとIDチップを入れるようになってきましたよね。動物が人と物の間っていうのって、 人でもないし、もちろんモノでもないし。人のように、人の赤ちゃんのようにっていうのもそれはやっぱり違うと思うんですよ。ペットも人のように 可愛い可愛いしてしまうっていうとまたそこも違って、やっぱり動物は動物としての立場を確立してほしいっていうか、「飼ってる」とかでもなく、一緒にただ個体として暮らしている、生きているっていうのが1番理想かなって思うので、 そうおっしゃってることがすごく腑に落ちました。そういう風になっていってほしいなって思います。
北條な:しっかり記事にして、 認知度向上にもご協力できたら幸いです。素敵な施設さんでした。第1回は公益財団法人動物臨床医学研究所「人と動物の会」アミティエ さんの秋田さんにインタビューをさせていただきました。どうもありがとうございました。
公益財団法人動物臨床医学研究所「人と動物の会」アミティエ 公式サイト
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