「アニポスで行われている寄付は、実際にどのように使われているの?」
ペット保険金らくらく請求アプリ アニポスを提供する弊社、株式会社アニポスでは、アプリの利用数に応じて動物団体へ寄付を行っております(寄付金の原資は弊社負担です)。
寄付を行っていることをご存知の方も多いと思いますが、
「アニポスが寄付を行うことは良いけど、寄付金はどのように扱われてるの?」
「本当に動物の役に立っているの?」
気になる方も多いのではないでしょうか?
そんな声に応えるべく、アニポスが過去に寄付を行った動物団体様に対し、インタビューを実施いたしました。
第4回は、東京都杉並区にあります、公益財団法人 ヒューマニン財団さんにインタビューをさせていただきました。
出席者
公益財団法人 ヒューマニン財団代表理事:寺山さん 法人本部:内田さん
アニポス:北條な(ファシリテーター),北條ひ(サブファシリテーター),田村(社員),吉崎(社員)
もくじ
Q. ヒューマニン財団様の概要を簡単に教えていただけますか?また、寄付金は、具体的にどのような活動や用途に使われているのでしょうか?

内田さん:2014年に財団設立から現在に至りますが、今、私と寺山がいる事務局があるところが本部で東京都杉並区です。東京は事務局だけがありまして、 ホームページに記載している犬たちがいるのは、千葉県の九十九里の飼育センターで、ここが現場となります。

今は15頭の犬と、3人のインストラクター、そしてスタッフという構成で運営しています。
財団設立の目的は、「人とペットが幸せに暮らしていける、より良い共生社会を目指す」ことです。
財団設立の主な事業としては、八街少年院(やちまた少年院:千葉県八街市)で行っている、GMaCプログラムを始めたということがきっかけです。 今はまだ猫の保護はやっていないのですが、そういった保護犬、保護猫とのより良い共生社会作りを目指しています。
八街少年院で行っているGMaCプログラムと、他には老人ホームでのセラピー活動、自治体ではしつけ方教室をやらせていただいています。

まだまだ小さい団体なので、活動の幅をそんなに大きくしていけない状況で、細々と運営しています。
いただいた寄付金は犬の治療費や、飼育のための費用に当てさせていただいています。

他には、建物が古かったり、台風が来たりで、修繕が必要なことも多いので、修繕費用に当てさせていただいております。

北條ひ:千葉の施設は海に近そうで環境が良さそうですね。
北條な:建物が白くて、素敵ですね。 すごく可愛らしい。絵本に出てきそうです。
内田さん:どなたが来られても「あ、ここだ」と見てわかっていただけるように目立つ色合いにしたんです。海まで300メートル位、歩いて行ける距離にあります。

北條な:すごくいい環境ですね。 やしの木も素敵です。
内田さん:東京とは全然違う雰囲気ですね。
北條ひ:のびのびとわんちゃんたちが過ごせそうですね。ちなみに、施設を九十九里に選んだ理由は何かあるのでしょうか?
内田さん:この飼育センターに移るまでは色々と探していましたが、本当にご縁ですね。
東京都内ですと、犬を何頭も飼育するっていうのは現実的に近隣さんとの問題とかもあって難しいので、東京の事務所からそこまで遠くないところ、あとは八街少年院でのプログラムがあるので、八街少年院に通うことができる場所を探していました。

北條な:GMaCプログラムは少年院に入っている少年たちのメンタルケアにも役立っているのでしょうか?
内田さん:そうですね。八街少年院へは、週に4回、この飼育センターから犬を連れたインストラクターが通っているんですけれども、教育の一環で犬のトレーニングをするというプログラムになっています。
少年たちのメンタルにはとてもいい影響を及ぼしていると思っています。
北條ひ:アニマルセラピーのように、メンタル面にポジティブな影響もありそうですね。
内田さん:メンタルケアという面においては、すごく大きな影響だと思います。
田村:少年院の少年たちが、参加したいという意思を伝えたら参加できるのですか?
内田さん:どうしても人員が割けなかったり、色々な事情で、1期のプログラムでは、3頭の犬と3人の少年しか参加ができないです。
やりたいという少年は数多くいても、現実問題、全員参加してもらえるわけではなくて、八街少年院の職員の方々が、この少年にはぜひこのプログラムを受けさせたいという希望も併せながら、どの少年が参加するか決まっていきます。
田村:わんちゃんは、この施設のトレーナーさんが選定したわんちゃんを連れて行くのですか?
内田さん:そのとおりです。犬3頭に対して、ヒューマニンのインストラクターは1人、多くても犬4頭ですね。
北條な:プログラムを卒業したわんちゃんは、家族が決まるんですね。
内田さん:はい、家庭犬として生活していけるような一般的なトレーニングを3ヶ月のプログラムの中で施しまして、 一般の家庭にもらわれていきます。
北條な:GMaCプログラムの本を出されてるんですね。
内田さん:本は、ぜひ読んでいただきたいです。第1期のプログラムに密着してるルポルタージュになっています。
どんなプログラムを3ヶ月やっていくのかと、プログラム終了後の犬の生活というのに触れていますので、読んでいただけるとより理解していただけると思います。
北條な:犬にとっても少年にとっても素晴らしい機会ですね。
北條ひ:いろんな少年たちと触れ合うことで、わんちゃんのコミュニケーション能力を養うことができそうですね。
内田さん:そうですね。人と触れ合うことで、犬の社会化ができていきますので、人と接することに慣れていくというのは、犬にとっても大きいですね。
北條ひ:わんちゃんにも、少年たちにとっても、お互いにポジティブな影響を与えられるのは素晴らしいですね。
内田さん:プログラム終了時に修了式が行われ、代表理事も必ず参加するようにしているので、理事からも一言プログラムについて説明をお願いします。
寺山さん:GMacプログラムは、もう9年目、来年には10年を迎えますが、3ヶ月のプログラムを終えると、家庭犬の基礎的なしつけトレーニングを実施したということで、少年たちに修了証というのを渡しています。
保護犬はペットショップで購入してきた犬と異なり、様々な背景を持つ犬がいます。
しつけそのものも難しいですし、ましてや少年院という特殊な環境の中で、プログラムを週4日、3時間前後行います。さらに日常で常に接しているわけではないので…しつけやトレーニングは簡単なことではありません。
プログラムを3ヶ月間実施できたとしても、しつけは一筋縄ではいきません。
例えば、 きちんと散歩ができるようにしましょう、リードをつけてオーナーさんの後ろをきちんと歩けるようにしましょう、無駄吠えを無くしましょうなど、いわゆる家庭犬として、社会の中で人と共生できる基本を身に付けるしつけをするので、簡単ではないです。
なので、多くの紆余曲折があったり、一筋縄ではいかないこともあったりして、少年の感情も非常に揺れる経験になります。
彼らは罪を犯したり、社会や人に対して危害を加えたりなど事情があり少年院にいますが、様々な家庭環境とか、社会環境に恵まれなかった子たちが多いです。彼らも少年院に辿り着く前に、大多数が傷ついた経験をしたことがあるんですよね。
そんな少年たちの背景もあり、捨てられた犬や虐待された犬など、保護犬と自分自身の境遇を重ね合わせて熱量を持ってプログラムに参加してくれている少年も少なくありません。
上手に意思疎通できず苦労はするものの、その子(犬)が適切なしつけを経て、セカンドオーナー、里親さんのところへ行ってくれることを望み、トレーニングに励んでくれています。
修了式の際に私は必ず、少年1人1人にお礼をするのですが、修了証をもらった時には、声をつまらせて、涙を流している子もいます。
感極まっている少年たちの姿を見て、法務省、少年院の現場の先生たちも、「GMaCプログラムが少年たちに対して、精神面の部分で(辛辣な過去・罪の内省・自己反省など)改めて自分と向き合う大きな機会になってるのではないか」と捉えていただき、法務省の他の少年院からも、お声をいただいております。
我々の人材育成の問題など、急な拡大は難しいですが、これから先も10年、20年と続けていけたらいいなと思っているプログラムです。
北條ひ:素晴らしい試みですね。ありがとうございます。
Q. 貴団体が社会に対して広く認知させたいことがありましたら教えてください。(SNSやメディアで流布している情報と実情の違いなど)

寺山さん:いくつかありますが、動物たち(特に犬)が秘めている可能性でしょうか。
社会の役に立ったり、人の役に立ったりという、伴侶動物、コンパニオンアニマルという意味合いだけではなくて、社会や人に対して非常に良い影響を与えてくれる、共に生きていく上で豊かな社会とか人のQOLを高めていってくれる存在だということを、より多くの方々に知っていただきたいです。
Q. もし、この世の中に動物に関する法律を1つだけ作ることができるとしたら、どんな法律をつくりたいですか?
寺山さん:これはいい質問ですね。基本的なことですが、物扱いしないことでしょうか。
今は全ての動物に対しては難しいかもしれませんが、少なくとも犬、猫と言われる伴侶動物に関して、観賞用の動物ではなくて伴侶動物、しかも人間との社会的なつながりとか、あるいはペットとしての歴史が長い動物に関しての権利というものを、法律として作っていかなきゃいけないと思います。
今のままだと、動物、特に犬猫は物と同じように処分されますから、それはちょっと違うだろうと、時代が違いませんかと…。
SDGsっていうことが言われているこの時代になってきたのですから、 もっと私たち人間社会の周りに優しいまなざしをちゃんと届けていく、そういう意味でのひとつの象徴として、私は犬猫の権利というものをきちんと確立するような法律を作るべきだと思っています。
北條ひ:余談で個人的な感想ですが、ヒューマニン財団さんのペットや動物に対しての”伴侶動物”という表現はすごくいいなと思いました。
北條な:あんまり聞いたことないですよね。
北條ひ:他の団体さんでも、物扱いしない、人と物の間にある、動物たちへの法律っていう部分がまだカバーしきれてない課題としてありますという回答をされていました。その辺の課題は、どの団体さんでも共通認識なのかなと強く思います。
北條な:老人ホームだったり、少年院だったり、普段見慣れない場所でのペットとの触れ合い方法や効果など、新しい発見があり大変興味深いです。 今後もよりいろんな場面で動物のもつ可能性が生かせたら、人にもペットにもより良い社会になりそうだなと感じました。
寺山さん:コロナ禍の中で、ペットを飼う方が非常に増えました。
人間、満たされないものとか、孤独とか悲しみとか、そうしたものは、人が人で癒されなかったり、人が人で問題解決できないことも、数多くありますよね。
人であるからこそできないこともいっぱいあって、そういう意味で、コンパニオンアニマル、いわゆる伴侶動物と言われる存在が、日本だけじゃなくて、ヨーロッパ、アメリカを含めて全世界で、こうやって人間との安定した関係性を築いてきています。
世界では、ロイヤルファミリーは動物愛護も兼ねて犬を飼っておりますし、アメリカのプレジデントや日本の皇室も飼われています。
北條ひ:言われてみれば、皇族はペットを飼ってる方が多い印象はありますよね。
寺山さん:世界のエスプリだからっていうことではなくて、金持ちだから、権威ある者が飼ってるわけじゃなくて、ひとつの象徴なんですよね。
権力を持ち、統治する人間は、統治される側の人と、どこかで同じ接点を持ってきた。そのひとつが動物、アニマルっていうところをうまく介在して、そういう意味で言うと、ああいう方々も象徴的に利用されていますよね。
まだまだ勉強の途中ですけど、動物の世界と人間の関係性、社会って言ってもやっぱり深いな、広くて深いなっていうのは、日々感じております。
北條な:今だと、わんちゃんが社会で活躍する場は盲導犬や警察犬ぐらいしか、一般の方は認知してない印象はありますが、今後より広がっていってほしいですね。
寺山さん:そうですね。日本の経営者や、一流の方々であっても、家庭に帰ると家族には相手にされない人もいますよね。でもわんちゃんは接してくれますよね。
だから、ビジネス界の中でストレス抱えてらっしゃるような方々の、そういう意味の支えになってたりもするし、とても大切な存在だってことなんだろうって。そういう方々とお会いをして話をしてると、わんちゃんの話をする時は本当にとてもいい笑顔をされる。すごいビジネスマンでも、政治家であっても、わんちゃんと接して貰えるエネルギーでまかなってるのかなって思いますけどね。
北條な:わんちゃんのもつ人に与える可能性、わんちゃんにとっても人にとっても、今後の広がりが楽しみですね。貴重なお話どうもありがとうございました。
北條ひ・北條な:寺山さん、内田さん、素敵なインタビューありがとうございました。第4回は公益財団法人 ヒューマニン財団さんの代表理事・寺山さんと法務本部の内田さんにインタビューをさせていただきました。どうもありがとうございました。
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