猫をこれから飼いたい人にとって、避けて通れないのがお金の問題。
「猫の食費はいったいどれぐらいかかるの?」
気になりますよね。
このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。
この記事では猫の月の食費がどのぐらいかかるのか、おおよその数字が掴めます。
猫の食費は500~2万円以上と、家庭によってさまざまです。
もくじ
猫の食費は家庭によってバラバラ
猫の食費についてのお話しです。猫をこれから飼う人の参考になればと思います。
ではまず質問です。
「ヒトの食費はいくらですか?」
この質問に即答できる人はいないと思います。家庭によってバラバラですよね。
ヒトの場合、外食の割合や食へのこだわりの違い、飲み会などイレギュラーな出費、お子さんやご高齢の方への別メニューなど、家庭ごとに状況がかなり異なります。
より美味しい食材を求めて遠くのお店まで買い物に行く方もいらっしゃれば、時短第一でお惣菜を活用する方もいらっしゃるでしょう。または、ファーストフードやコンビニがメインの食生活を送っている方もいらっしゃるかもしれませんね。人間の食生活は実に多種多様です。
飼い猫の暮らしは、人間の暮らしの中に組み込まれている
基本的にキャットフードだけを食べる猫は、人間ほどの多様さはありませんので、食費について大体の目安はあります。でも忘れないで頂きたいのは「飼い猫の暮らしは、人間の暮らしの中に組み込まれている」ということです。つまり、このように多様な生活を送っているヒトと一緒に暮らしている猫たちの食生活は、少なからずヒトの食生活に左右されているということです。
左右されるという事は悪いことではなく、むしろ当然のことです。猫ちゃんも家族の一員ですし、食事は毎日のことですから、ヒトの生活の中に自然に組み込まれ、飼い主が無理なく続けられるスタイルであることが重要なのです。
「食費」を知りたくてページを開いたのに、何を語っているの?と思っていらっしゃる方。もう少しお付き合いください。
愛猫を目の前すると、ヒトの食生活に左右されている前提が抜けてしまう
私がなぜこんな当たり前の事を言っているかというと、いざ愛猫を目の前にすると、猫ちゃん可愛さのあまりに、この「当たり前な前提」が抜けてしまう方を沢山見てきたからです。
分かりやすく、極端な例え話をします。
架空の人物Aさんは一人暮らしの独身男性。普段の食事はコンビニ弁当か牛丼チェーンがお決まりです。趣味はゲームで、ついつい夜更かししがち。そんなAさんと愛猫の出会いは突然でした。猫を飼うのは初めてでしたが、猫の魅力にすっかりハマってしまい、少しでも良いものを食べさせたい!という思いが高まりました。
「よし!これからは毎朝仕事前に市場に行って、新鮮な肉や魚を仕入れて、猫のために手作り食を作るぞ!」Aさんは、頑張って早起きして市場へ向かいました。 …さて、このAさんの生活、続くと思いますか?
ほとんどの方は「無理でしょ」とツッコミを入れたはずです。
例え話になると、こんなに馬鹿げていると誰でもわかるはずなのに。
日々の診療で、根本的にはAさんと変わらない「無理」をしようとしている飼い主さんをたくさん見てきました。
飼い主の身の丈にあった食生活が賢明
「私の食事はどんなに粗末になってもいいから、この子だけには良いものを食べさせたいんです!」
一見美談のようですが、冷静になりましょう。猫は20年生きます。20年間粗末なものを食べ続ける飼い主さん、心身への影響が心配です。また、高齢になると猫も慢性疾患にかかる可能性が高いので、身の丈にあった食生活を送りながら治療費をためておくほうが賢明ではないでしょうか。
入手方法も日々の食品に合わせる
Aさんの例え話に戻りますが、費用だけでなく、入手方法・調理方法にも無理がありますね。猫の食生活は人間の生活の一部。猫を飼い始めたからって、人間の習慣はそうそう変わりません。普段よくネットで買い物をする方は、キャットフードもネットで買えるものが便利ですし、毎日スーパーや商店街で食材を調達する方は、キャットフードも行き帰りの道中にあるお店で買えるのが理想です。
猫への手作り食は初心者には難易度が高い
もともと料理が大好きで栄養学にも興味がある方でしたら、手作り食を取り入れるのも悪くないでしょう。ただし、猫の食事を100%手作りにするのは非常に難易度が高く、ちょっと勉強したくらいで始めてしまうと猫の健康を害するおそれがあります。猫の主食はあくまでもキャットフードが基本で、手作りしたい方はトッピングや水分摂取目的のスープなど用途を絞るようにしてください。
一般的には、猫の食事は100%キャットフードを使用する
一般的には、猫の食事は100%キャットフードを使用するという想定です。
このキャットフード、価格は非常にピンキリです。猫の体格やフードの種類によりますが、成猫1匹が1ヶ月で消費するドライフードの量は2kg程度。2kgあたりの価格に換算すると、安いものをホームセンターや激安ショップで入手すると500円ほどで買えることもありますが、高級なものだと5000円を超えるものも珍しくありません。病院で治療を目的に処方するフードは6000円を超えるものもあります。10倍以上の開きがありますね。
これに缶詰やパウチなどのウェットフードをプラスする場合は、1個あたり50円~500円程度とこちらも約10倍の開きがあります。1日1個使う場合、1ヶ月1500~15000円ですね。さらに、おやつや歯磨きスナックを購入される場合もあるでしょう。
猫の食費は500~2万円以上と、家庭によってさまざま
今回の記事のテーマは猫の食費は月どれくらいかかるの?ですが、これに一言で答えるとすると500円~2万円以上となりますね。
幅がありすぎて答えになってない?ごもっともです。だから、こんなに長文になっているのです(笑)
でも先程述べた通り、あなたのお家で飼われている猫ちゃんは、あなたの生活に組み込まれています。つまり、あなたの食事を目安に選んであげれば良いのです。
一番イメージしやすいのは、あなたが日頃食べている「お肉」の価格を参考にすることをお勧めしています。猫は肉食動物ですからね。
例えば100g70円くらいのお肉をよく買う場合、2kgのキャットフードに換算すると1400円くらいですね。100g200円だと、2kgで4000円くらい。こう換算すると、不思議と人間用のお肉のランクとキャットフードのランクが同じくらいになります。
人間が食べているお肉とキャットフードの価格が大きくかけ離れている場合、本当にそのフードで大丈夫か?安すぎて病気にならないか?逆に家計を圧迫していないか?と考えてみた方が良いと思います。
まとめ
この「飼い主が食べるお肉の価格を参考にする」考え方は、あくまでも私の持論であり、キャットフード選び初心者の方に向けてのお話であることを最後に付け加えさせていただきます。
フード選びのときに考えるべきポイントは他にも沢山あるので、できればかかりつけの獣医師に相談してから選んでくださいね。

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著者・谷口 史奈先生のプロフィール
動物病院3年、猫専門病院2年半勤務し、2016年8月に東京都品川区に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院・同院長を勤める。猫に特化した講演・セミナー活動をはじめ、雑誌・Webサイトやメディアのコラムの執筆や監修など、精力的に活動中。
