人の食べものの中には、猫が食べると命に関わる中毒症状を起こすものがあります。
今回は、猫に食べさせてはいけない食品を5つピックアップしてご紹介します。
もくじ
猫が食べてはいけない5つの食品
1.ネギ類(タマネギ、ナガネギ、ニンニク、ニラなど)
「猫にはダメ」とはわかっていても、意外な料理に混ざっていることがあるネギ類。
ネギに含まれる有機硫化物が猫の体内で強い酸化物質に変化、赤血球が壊されてしまうのです。赤血球の破壊に伴い、「貧血」となった猫は、活動性の低下や食欲低下を見せるようになります。
摂取すると危険な量は、犬で15〜30g/体重kgとされているのに対して、猫ではたったの5g/体重kgと言われています。ネギ類が含まれるハンバーグなどの調理済みの食品も、うっかりあげてしまわないように注意しましょう。
症状が出るまでに数日から1週間と間があくため、注意が必要です。
2.チョコレート
パンやお菓子に含まれていたりと、食いしん坊の猫ちゃんにうっかりあげてしまったという話も聞くチョコレート。
チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインなどの成分により、中毒症状が引き起こされると考えられています。
症状は摂取後数時間で現れます。
初期は、落ち着きがなくなり、嘔吐や下痢をするなどから始まり、進行すると
けいれん発作を認める場合もあります。
3.アボカド
ヘルシー食材の代表格のイメージがあるアボガドですが、アボカドの果肉に含まれる「ペルシン」という成分を人間以外の動物が食べると、
嘔吐や下痢などの症状を引き起こすといわれています。
栄養がありそうだしうちの子はなんでも食べるから・・・と与えてしまわないようにしましょう。
4.生のイカ
イカの内蔵に含まれる、「チアミナーゼ」という酵素が、猫にとって必要なビタミンB1を分解してしまいます。
ビタミンB1の不足が続くと食欲低下や嘔吐、場合により背骨が変形してしまうこともあります。火が通ったイカの場合は、ビタミンを分解する酵素が失活するためビタミンB1欠乏症にはなりませんが、そもそもイカは消化の悪い食べ物。
サキイカなどの加工食品も含め、あまりお勧めできない食材です。
また、アサリやハマグリなどの二枚貝もイカと同様の理由でビタミンB1欠乏症を引き起こす場合があるので、与えないようにしましょう。
5.アワビ
アワビの肝に含まれる「ピロフェオホルバイド」という成分は、強い光に反応して炎症を起こします。特に毛が薄く日光にさらされやすい猫の耳は症状が出やすく、場合により耳が壊死してしまうこともあるほど。
食べさせる機会はあまりないかもしれませんが、猫にとって危険になりうることは覚えておいてほしい食材です。
人には安全でも、猫にとっては命を脅かしかねない食べ物も。
人には安全で美味しい食べ物でも、猫にとっては命に関わる危険な食べ物も存在します。もし、誤食してしまった場合には、食べたものが猫にとって毒性のあるものかにより緊急度が異なります。何をどのくらい食べたかを可能な限り確認し、動物病院に電話をして指示を仰いでください。
また、食べ物では有りませんが、食卓の上に何気なく残していた串や飾りも誤食しがちなので、注意してあげてくださいね。

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著者・桑原慶先生のプロフィール
福岡市中央区唐人町のくるみ動物病院院長・獣医循環器認定医。2019年4月獣医循環器認定医資格取得。
【所属医師会】福岡県獣医師会・福岡市獣医師会・日本獣医循環器学会・九州画像診断研究会