犬とお話ができたらいいなと思うことはありませんか?
私は獣医師として日々動物と向き合っていますが、動物から直接症状を聞き取れたらいいなと思うことがよくあります。 残念ながら犬と私たちヒトが言葉を使って会話をすることはできませんが、犬は犬のやり方でお互いにコミュニケーションを取っています。そんな犬たちの「言葉」を少しだけ紹介します。
もくじ
犬同士のあいさつのしぐさ

犬同士で耳、口、内股、お尻の匂いを嗅ぎます。
お散歩で犬同士が出会ったときによくみられます。久しぶりに顔見知りの犬と再会したら、念入りにお尻の匂いを嗅ぎ合うことも。
犬の攻撃的なしぐさ

「近づくな!」と言わんばかりに、頭と尾を高く上げ、前にたちはだかって相手を直視。首~背中の毛が逆立つ。
より攻撃的な場合は、耳は前方を向き、歯をむき出しにして、低い声でうなる。
これは有名な姿勢ですね。犬は攻撃的な気持ちになっています。
犬をむやみに直視したり、近づいたりするのは避けましょう。
犬が敵意はない時に見せるしぐさ

歯を隠して、お腹や首などの急所を相手にさらす姿勢をとる。
お尻を下げて背中を弓なりにし、低い姿勢で相手に近づくか相手の接近を待つ。
低い位置でしっぽを振って、鼻先は高く、頭と首は低く、耳も後ろに倒し、視線は外す。
これもよくみかける行動ですね。
自分が劣位であることを伝える、あるいは相手をなだめようとする行動です。
犬が遊んで欲しい時に見せるしぐさ

低い姿勢でお尻だけを高く上げ、前足を伸ばしたり上げ下げしながら、しっぽを大きく振る。
相手の前後をすばやく大げさに動く。
このポーズで遊びに誘われた経験のある飼い主さんも多いのではないでしょうか。Play bow(遊びを誘うおじぎ)と呼ばれる行動です。
このあとの、正面からの接近やうなり声は、攻撃ではなく遊び。「ここからは無礼講」みたいなものです。
犬がストレスを感じている時に見せるしぐさ


あくび、舌をぺろぺろさせる、体のブルブル、体を掻く、目をそらす・細める、地面の匂いを嗅ぐ など
犬がイヤなこと・怖いものを感じたときに、自分自身や相手をリラックスさせるボディランゲージです。転位行動やカーミングシグナルとも言います。
飼い主さんに怒られたときに、あくびをしたり目をそらしたりする子も多いと思います。とぼけたり、ごまかしたりしているのではなく、飼い主さんをなだめようとしています。
診察室でもストレスサインはよく見られます。診察台の上で獣医さんから目をそらせ、お口をぺろぺろさせて「どきどきするー」、診察が終わったとたんに体をブルブル!→「自分がんばった」です。
ストレスサインは出せるほうが良い
ストレスサインがみられることは悪いことではなく、ガス抜きに近いので、出せるほうがいいです。でも、うまくサインが出せない犬もいて、相手に感情が伝わらなかったり、ストレスをため混んでしまったりする子もいます。
こういったサインがよく出ているときには、犬と同じサインを返してあげましょう。犬のきもちが和らぎます。
まとめ
犬の感情も単純ではなく、いくつかの行動が同時にみられることもあります。ちょっとした仕草から犬の気持ちを知って、よりよい関係を築きましょう。

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今回記事を執筆してくださった、田積先生の「ゆう動物病院」のWebサイトはこちらから。