子猫は遊ぶことが好きで、動くものや新しいものに興味津々です。
起きている時間の多くを遊びながら過ごすのはただただ退屈を紛らわせているだけではなく、猫として生きていくために必要な社会的行動を学んでいると考えられています。
このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。
この記事では、子猫ちゃんとの共同生活でしばしば問題になる、子猫の噛み癖についてまとめます。
もくじ
噛み付きは猫の狩猟本能のひとつ
猫は本能的に動くものを捕らえようとする習性があるため、ゆらゆら揺れている指先や紐状のもの、他の猫の尾に対して噛み付くことがあります。
また、遊んでいるうちに過度に興奮してしまい、飼い主様に噛み付いてしまうケースも考えられます。
猫の狩猟本能を発揮させるような遊びをする際には、飼い主様の手足の怪我を避けるためにも、猫じゃらしやおもちゃなど噛み付いても大丈夫なものでするようにしてあげるとよいでしょう。
猫の噛み付き遊びで注意したい3つのこと
猫の噛み付き遊びは捕食や捕獲、逃走や追跡などの社会的行動を学ぶ良い機会ですが、誤飲や感電、飼い主様への攻撃行動という問題行動に発展する可能性があるので注意が必要です。
1. 誤飲
誤飲を防ぐには
・紐状のものは扉がついている収納スペースに収納する
紐状のおもちゃや裁縫用の糸は、触るとクネクネ動くため、狩猟本能が刺激され、好んで遊ぶ猫が多いと思われます。
遊んでいる最中に、誤って飲み込んでしまうケースがあり、開腹手術が必要になる場合もあります。
紐状のものは、飼い主様の目の届く範囲で遊ぶようにして頂き、遊び終わったら、扉がついている収納スペースに直すようにしてください。
2. 感電
感電を防ぐには
・電気コードは壁に沿わせて固定する
・市販のカバーで覆う
電気コードは紐状で触るとクネクネ動くことから猫の興味を引きやすいアイテムの一つです。
しかし、噛んで遊んでしまうと、誤飲だけでなく感電の恐れもあるのでしっかりと対策をする必要があります。
感電すると舌や唇の火傷のほか、命に関わるケースも存在するため、電気コードは壁に沿わせて固定をし、市販のカバーで覆うなど、猫が触れないように対策しましょう。
3. 攻撃行動
攻撃行動は愛撫誘発性と恐怖性の2種類がある
問題となる攻撃行動には、愛撫誘発性と恐怖性があげられます。
「愛撫誘発性」の攻撃行動
愛撫誘発性の攻撃行動は、しばらく撫でられていた猫が突然噛むことです。
飼い主様にとっては「突然」と思われますが、猫にとっては触られたくない場所や、長時間触られることに対しての不快がもとになる防御的な攻撃行動です。
「恐怖性」の攻撃行動
恐怖性の攻撃行動は、外的な恐怖から逃げ出すことができずに追い詰められた状況において、自分を守るための攻撃行動のことです。
まとめ
子猫がなんでも噛んでしまう原因は様々ですが、社会的行動を学ぶ絶好のチャンスです。
子猫のうちは特に多くの時間遊んであげると良いと思います。
ただし、飼い主様の手を噛みつかせたりして遊ぶ、また必要以上に攻撃行動を誘発するような遊びはおすすめできません。
適切な遊び方で、子猫ちゃんの社会行動の学習を手伝ってあげましょう。

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著者・桑原慶先生のプロフィール
福岡市中央区唐人町のくるみ動物病院院長・獣医循環器認定医。2019年4月獣医循環器認定医資格取得。
【所属医師会】福岡県獣医師会・福岡市獣医師会・日本獣医循環器学会・九州画像診断研究会