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猫ちゃんのコロナウイルス

2020年2月29日

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アニポス獣医師
あに丸先生

新型コロナウイルスで、お亡くなりになられた方々、ご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表するとともに、罹患されている方々に心よりお見舞い申し上げます。

今回アニポスでは、みなさまが不要なご心配をなさらないよう、新型コロナウイルスと動物(特に猫ちゃん)のコロナウイルスについて、お話いたします。

新型コロナウィルスって、何が新型なの?

大きな話題となっている新型コロナウイルスですが、「新型」とつくだけあってコロナウイルス感染症は昔からありました。人間に症状を引き起こすコロナウイルスには、風邪の原因になる4種と重症肺炎を引き起こす2種があります(SARSと呼ばれているのもこの中に入っています)。(詳しくは国立科学研究所のウェブサイトをご参照ください。)つまり、合計6種類のコロナウイルスは知られていたのですが、今回のコロナウイルスはこの6種類にのどれにも分類ができず、「新型」と呼ばれているのです。

この6種類は、あくまで人間での話です。
実は、コロナウイルスによる病気は人間以外の動物でもたくさんあります。
他の動物から人間にウイルスがうつることはあるのでしょうか?

コロナウイルスって、動物からうつるの?

そもそもウイルスは宿主を必要とする寄生虫のようなものです。ただ、寄生虫のように「とりあえず誰かの」腸の中に寄生しちゃおう!みたいな事はできず、「寄生する相手を選ぶ」ことが特徴です。(鍵穴と鍵の関係のように、ある鍵穴(細胞)にはある特定の鍵(ウイルス)しか入り込めないんです。)
細胞が動物によって異なるのはなんとなくわかりますよね?
種を飛び越えて感染してしまうウイルスもいますが、コロナウイルスは生物種特異性の高いウイルス、つまり「特定の宿主にしか感染しないウイルス」です。だからコロナウイルスが原因で病気の動物に触れても、人間がコロナウイルス感染症になる事はありません。

いろいろなコロナウイルス

身近なイヌやネコはもちろん、ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜、スズメなどの野生動物からも、それぞれの動物「固有」のコロナウイルスが検出されています。名前は同じコロナウイルスでも、それぞれが全く種類の異なるコロナウイルスなんですよ!コロナウイルスは多くの場合、軽症の咳や下痢を引き起こすだけなんです。

ポス代
ポス代

へー!コロナウイルスって、色々あるんだ!

「なーんだ、動物のコロナウイルスって人には感染しないし、その動物でも軽症なら気にしなくていいね」と猫ちゃんのオーナーは思っちゃだめ。猫の場合、致死性の高いコロナウイルスがあるんです!(ワンちゃんにも犬コロナウイルス感染症(下痢)がありますが、致死性の観点では猫コロナウイルスの方が高いです。)
よく知られているのは猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)(コロナウイルスの一種)です。このウイルス自体は、そんなにうつるものではありません。が、このウイルスは「猫腸コロナウイルス」という少し下痢を引き起こす程度のウイルスが突然変異して、猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)になって病気を引き起こす、という特殊なウイルスなんです!

初期症状は、わかりにくいんです・・・

猫伝染性腹膜炎ウイルス感染症は、その名の通り、腹膜(胃や肝臓などお腹の中の臓器の表面とそれらの臓器がおさまっているお腹の中を包んでいる膜)に激しい炎症が起こる病気です。一度発症すると治療がうまくいかないことが多いので、はやめの発見・予防が大切です。でも初めの症状は食欲不振や元気消失など一般的なもので、なかなか発見できません。だから予防がとても大事なんです。

石鹸での手洗い、アルコール消毒が大切

猫伝染性腹膜炎ウイルスを予防するには?

猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)自体はそんなにうつらなくても、変異元の猫腸コロナウイルスは非常に感染力が強いです。猫腸コロナウイルスに感染しないように心がけましょう!

猫腸コロナウイルスは、感染した猫のうんちに潜んでいるので、他の猫のうんちを避けましょう。またコロナウイルスはアルコール・界面活性剤に非常に弱い性質なので、猫ちゃんのトイレをアルコール消毒したり、猫ちゃんを触れる前に石鹸(界面活性剤)でしっかり手を洗うことも大事です。

今回の新型コロナウイルスも、猫ちゃんのコロナウイルスも対策は同じ!石鹸での手洗い・アルコール消毒で人も動物も健康的な生活を送りましょう!

ポス代
ポス代

せっけんでの手洗い・アルコール消毒、がんばります!

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