寒いからこそ気をつけて!獣医が教える、冬に気をつけたい犬の健康トラブル5選

2020年11月1日

blog_author_annie


アニー先生

朝晩が冷え込む様になりました。これから、益々寒くなり本格的に冬が始まります。
童謡にあるように、犬は冬でも元気いっぱいに外を駆け回るイメージがありますが、私たち人間と同じように、寒さで体調を崩してしまうことがあります
今回は、これからの季節飼い主さんにぜひ気をつけてもらいたい、寒い冬に犬に起こりがちな健康トラブル・病気についてのお話を、それぞれの予防方法と一緒にお話していきましょう。

冬に多い健康トラブル1|泌尿器系の病気

原因

冬になり気温も低くなってくると、日中に活動する量が減ります。
その分喉が渇かないため、夏に比べ飲水量が激減。すると、それに伴い尿の量が減ってトイレに行く回数が減り、結果として、尿が膀胱内に長時間貯まることに。
これが、細菌感染が起こりやすくなる原因となります。
また、細菌感染により、尿中に結晶ができやすくなります。
そのため、「膀胱結石」や「膀胱炎」などの泌尿器系の病気が起こります。
特に、過去に泌尿器の病気になったことのある子や高齢の子では注意が必要です。

症状

・頻繁にトイレに行くが少量しか出ない、もしくは出ていない。
・血尿が出ている。
・排尿時に痛そうにしている。
・いつもと違う格好で排尿する。

予防方法

・いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく。
・水分量の多いフードにする。
 (フードに少し水を加える、もしくはウェットフードを混ぜるなど…)
・トイレをしやすい環境を整える。
 (寒い廊下にトイレを置かない、トイレを複数置くなど…)
・外だけでなく室内でもトイレをする様にトレーニングする。
・過去に泌尿器の病気になったことがある場合は、食事管理を行う。

冬に多い健康トラブル2|呼吸器系の病気

原因

冬の冷たい空気や乾いた空気は、鼻や喉の粘膜を刺激します。
また、鼻や喉の粘膜が弱くなり、ウイルスや細菌への抵抗力も弱まるために、鼻水や咳が出やすくなります。

症状

・鼻水
・発咳

予防方法

・室内の温度、湿度管理をする。
 (室温25℃、湿度60%が最適です。)
・換気をしウイルスや細菌の充満を防ぐ。

冬に多い健康トラブル3|関節の病気

原因

気温が下がる事で体が冷え血流が悪くなると、筋肉や腱が固まってしまいます。
すると、筋肉や腱が伸び縮みする時に関節に負荷がかかるため、関節を痛めやすくなるのです。
また、冬の時期は運動量も落ちるため体重が増えやすく、より関節へ負担がかかってしまいます

症状

・運動をすると痛がる。
・急にキャンと鳴く。
・痛みで動きたがらない。
・跛行や、痛みのある部分をかばう動きをする。
・階段の上り下りを嫌がる。

予防方法

・高い所への上り下りを避ける。
・冷たい風が当たるような場所や極度に寒い場所は避ける。
・室内での温度管理をする。
・滑りやすいフローリングなどは避け、滑り止めマットやカーペットを敷く。
・体重管理をする。
・関節に対するサプリメントを与える。

冬に多い健康トラブル4|火傷

原因

暖房器具や熱湯での火傷や、人用や動物用のホットカーペットや湯たんぽの長時間の使用により、低温火傷を起こします。

症状

・軽い場合皮膚が赤くなる。
・症状の重い火傷の場合、水疱ができたり皮膚の表面が剥がれる。

予防方法

・ストーブに触れられない様に、ストーブの周りを安全柵などで囲む。
・湯たんぽやカーペット、動物用の保温マットの長時間の使用を避ける。
・家を留守にする時は火傷の恐れのある暖房器具の電源を切る。

冬に多い健康トラブル5|循環器系の病気

原因

冬場は寒さで血管が収縮し、より強く心臓が拍動し血液を身体中に送りだします。
それにより、心臓への負担がかかり心臓病が悪化する可能性があります。
また、冬場は運動量が減り体重が増加しやすくなります。
体重増加は心臓への負担も増えるため、心臓病が悪化する恐れがあります

症状

・咳をよくする様になった。
・運動をすると、ハァハァと息が荒くなる。
・散歩中に歩かなくなるまたは、動きたがらなくなる。

予防方法

・定期的な検査を受ける。
・冬場の体重増加による心臓への負担を無くすため、体重管理をする。
・心臓病があり、薬を服用している場合はきちんと処方された薬を飲ませる。

冬に多い健康トラブル番外編|ノミ・マダニ予防

「病気」ではありませんが、冬だからといって気を抜いてはいけないのが
ノミ・マダニ予防
です。
冬になって気温も下がったし・・・と必要性を感じない方も多いかもしれませんが、ノミ・マダニに関しては、1月から12月まで1年を通して予防が必要なのです。
ノミ・マダニは寒い環境では活動する事ができません。
しかし、近年では冬場に暖房器具を利用するご家庭がとても多く、冬場といっても温度調節された暖かい室内は、私たち人間や犬と同様ノミ・マダニにとって過ごしやすい環境になっているからです。
そのため、冬だからといって予防をやめてしまうと、ノミやマダニが繁殖し、愛犬に寄生してしまう可能性があるのです。
さらに、ノミ・マダニは私たち人間にもうつるため、注意が必要です。
春から秋だけ、でなく冬でもしっかりと予防をしましょう。

まとめ

寒さが本格的になる季節は、愛犬と一緒に健康で楽しく冬を過ごすためにも、少しでも異変を感じたらすぐに動物病院へ行きましょう。

アニー先生
アニー先生

アニポス公式ブログは犬や猫などペットの飼い主さんの悩みを解決できる記事が充実してます。ブックマーク・お気に入りに追加して愛犬・愛猫との暮らしにお役立てください。

Tag

おしゃれ
おれ耳
お手入れ
くしゃみ
しこり
しっぽ
しつけ
におい
ぶどう
まとめ
アウトドア
アトピー
アトピー性皮膚炎
アナフィラキシーショック
アニマルセラピー
アメリカンショートヘア
アレルギー
アンケート
インタビュー
インフルエンザ
カビ
キシリトール
キャットフード
グルーミング
コロナウイルス
ゴールデンウィーク
サルモネラ症
シャンプー
スコティッシュフォールド
ステロイド
ストレス
ズーノーシス
ダニ
チョコレート
トイプードル
トイレ
トリミング
トレーニング
ドッグフード
ドライヤー
ノミ
ハチ
バッグ
バルトネラ症
フィラリア
ブドウ膜炎
ブラッシング
ヘルニア
ペット
ペットサロン
ペットフード
マーキング
メンタル
リラックス
レプトスピラ感染症
ワクチン
炎症
熱中症
爪とぎ
爪切り
狂犬病
狼爪
獣医師
玉ねぎ
生理
生殖器疾患
田積先生の記事
甲状腺機能低下症
病気
痙攣
皮膚病
目やに
真菌性皮膚炎
睡眠
短頭種
移行上皮癌
突発性膀胱炎
精巣手術
糖尿病
細菌性膀胱炎
結石
緑内障
避妊
肛門腺
肛門腺炎
肛門周囲腺腫
肝炎
肥大型心筋症
肺水腫
胆嚢粘液嚢腫
腎臓病
腫れ
腫瘍
膀胱
膀胱炎
膀胱腫瘍
膝蓋骨脱臼
膣炎
花粉
花粉症
薬浴
露出性角膜炎
靴下
血尿
血液検査
血便
行動
食べ物
食欲不振
食欲低下
食中毒
飲み薬
首輪
角膜障害
認知症
誤食
誤飲
骨軟骨異形成症
骨折
骨付き鶏肉
谷口先生の記事
貧血
鳥海先生の記事
鳴き声
車酔い
鼻水
SFTS
健康
健康診断
僧帽弁閉鎖不全症
分離不安
前立腺肥大症
副腎皮質機能亢進症
副作用
動物病院
動物団体
卵巣腫瘍
去勢手術
口臭
口内炎
吠える
呼吸
呼吸困難
和田先生の記事
喧嘩
嘔吐
噛む
回虫
回虫症
外耳炎
多頭飼い
多飲
多尿
大川先生の記事
失神
子犬
子猫
子宮蓄膿症
定期健診
寄生虫
寄付
小型犬
尿
尿石症
尿路疾患
尿路感染症
尿検査
屋外
山田先生の記事
心臓
心臓病
心不全
怪我
愛玩動物看護士
感染症
投薬治療
抗生剤
拘束型心筋症
拡張型心筋症
排尿障害
救急
散歩
栄養
桑原先生の記事
検査
歯磨き
歯周病
毛玉
気管虚脱
治療
注射
消化器疾患
涙やけ
涙目
下痢
下部尿路疾患
不整脈
中毒
乳腺腫瘍
予防
予防薬
予防接種
人獣共通感染症
人気
仕事
体重
体重減少
体臭
体調管理
体温
便
保護猫
to-top