「犬を飼っているけど観葉植物を置いても大丈夫なの?」
人間にとっては癒やし効果満点な観葉植物。ですが、犬にとって有害な観葉植物がいくつかあるのを耳にした事ある飼い主さんはいるのではないでしょうか?
このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。
この記事では、大事な家族を守るために知っておいて頂きたい、定番のだけど実は犬にとって危険な観葉植物を5つご紹介します。
もくじ
犬に危険な5つの観葉植物
犬に危険な5つの観葉植物
・アイビー(ヘデラ)
・ポトス
・ポインセチア
・アロエ
・ユリ科の植物
犬にとって有害であり、危険な観葉植物はアイビー(ヘデラ)、ポトス、ポインセチア、アロエ、ユリ科の植物です。
この5つは人気のある定番な観葉植物ですが、犬にとって有害ということを認識しておいてください。ひとつずつ紹介して行きましょう。
犬に危険な観葉植物その1|アイビー(ヘデラ)

アイビー(ヘデラ)は丈夫で育てやすく、多くの方が育てているのではないでしょうか?繁殖力も旺盛でどこでも育っていくと言われています。水差しにしてトイレや玄関などに置いている方も多いと思います。ただし、アイビーは犬に対して有害な成分を持っており、食べてしまうと嘔吐や下痢、口や目を痛がるなどの症状が出ます。気軽に取り入れられるインテリアグリーンですが、犬に対しては危険なので注意してあげて下さい。
アイビーで引き起こる主な症状
・嘔吐
・下痢
・口や目を痛がる
犬に危険な観葉植物その2|ポトス(サトイモ科の植物)

ポトスは育てやすく人気のある観葉植物ですが、ペットに対しては有害な成分を含んでいます。
ポトスで引き起こる主な症状
・口内炎による口の痛み
・よだれ
・嘔吐
・喉の腫れ
・呼吸困難(喉の腫れが重症化)
ポトス食べてしまうと、口内炎による口の痛みやよだれのほか嘔吐がでる場合もあります。喉の腫れが重症化してしまうと、呼吸困難を引き起こす恐れもあります。
サトイモ科の植物も注意しましょう
ポトスはサトイモ科に分類されます。サトイモ科の植物の茎や葉には有毒成分が多く含まれていることがわかっています。サトイモ科の仲間にはモンステラやフィロデンドロン・セロームなどがあります。お部屋の上部に置いたり吊り下げたりすることで、ペットの届かないところに飾るようにしましょう。
犬に危険な観葉植物その3|ポインセチア

ポインセチアはクリスマスの時期になると多く出回る観葉植物のひとつ。赤い葉が美しく人気の観葉植物ですが、犬に有害な成分を含んでいます。
ポインセチアで引き起こる主な症状
・口内炎による口の痛み
・嘔吐
・下痢
ポインセチアを犬が食べてしまうと、口内炎による口の痛みのほか嘔吐や下痢を引き起こします。クリスマス時期になると多くの方がインテリアグリーンとして取り入れると思いますが、注意してあげて下さい。
犬に危険な観葉植物その4|アロエ

アロエの皮や葉には犬に対し毒性のある成分が含まれており、食べてしまうと嘔吐や下痢を引き起こします。アロエは人間にとっては美容や健康に良いイメージですし、見た目が可愛らしいので観葉植物として取り入れている方もいらっしゃるかもしれません。こちらも置き場所に注意して下さい。
アロエを犬が食べると引き起こる主な症状
・嘔吐
・下痢
犬に危険な観葉植物その5|ユリ科の植物

代表的なユリ科の植物
・チューリップ
・カサブランカ
・ヒヤシンス
ユリ科の植物(チューリップやカサブランカ、ヒヤシンスなど)には強い毒性があり、犬が少し食べたりかじったりするだけでも腎機能が低下し、死に至る可能性があると言われており大変危険です。
症状としては元気食欲がなくなる、嘔吐や下痢のほか重篤な場合には痙攣を引き起こす場合もあります。花や茎、球根だけでなく、ユリ科の植物を生けていた花瓶の水にも注意が必要と言われています。万が一誤食してしまった場合には、動物病院に相談し早急に対応してもらいましょう。
ユリ科の植物を犬が食べると引き起こる主な症状
・腎機能の低下
・元気がなくなる
・嘔吐
・下痢
・痙攣
・死に至ることも
中毒症状は、摂取した有毒成分の種類や量、個体の体質によって、症状そのものや症状が発現するまでの時間、重症度が異なります。
もしも愛犬が危険な観葉植物を摂取してしまったら?
もしも愛犬が中毒物質を摂取してしまった場合、または、摂取したことが疑われる場合には、早急に動物病院に通院することをお勧めします。摂取後に時間が経過してしまうと、中毒成分が体内に吸収され症状が重くなったり、治療が困難になる場合もあります。治療法については摂取した中毒物質の種類や量、摂取後経過している時間によっても異なりますので、かかりつけの動物病院とよくご相談ください。
いろんなものを口にする癖のある犬なら細心の注意を
・散歩時の誤食に注意する
・庭の植物を除去する、囲いをする
・室内の観葉植物は届かない部屋の上部に置く・吊り下げる
・緊急時用に夜間・時間外対応できる動物病院を探しておく
いろいろなものを口にする癖がある犬の場合には散歩時に特に注意が必要です。また、お庭に中毒を起こす植物がある場合は、犬が食べてしまわないように除去したり、囲いをするなどの工夫をしましょう。室内に観葉植物は飾る際には、お部屋の上部に置いたり吊り下げたりすることで、ペットの届かないところに飾るようにしましょう。また、日頃から、夜間・時間外などにも対応してもらえるような動物病院を探しておくと、緊急時にも安心です。
まとめ
犬に危険な5つの観葉植物
・アイビー(ヘデラ)
・ポトス
・ポインセチア
・アロエ
・ユリ科の植物
観葉植物にはおしゃれで飾りたくなるような品種もたくさんありますが、愛犬にとって有害なものを把握した上で選びましょう。
また、入れない部屋に置くなど、置く場所に気をつけたり、やり方次第で好きなものを楽しめる可能性もあると思います。ペットと快適な生活が送れるように工夫してみましょう。

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著者・桑原慶先生のプロフィール
福岡市中央区唐人町のくるみ動物病院院長・獣医循環器認定医。2019年4月獣医循環器認定医資格取得。
【所属医師会】福岡県獣医師会・福岡市獣医師会・日本獣医循環器学会・九州画像診断研究会