「犬が甲状腺機能低下症になったら、どんなサインがあるの?治療法は?」
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今回は、よくある病気である犬の甲状腺機能低下症にスポットを当てて、その原因や見つけるヒント、治療のコツについて解説します。
もくじ
犬の甲状腺はどのように機能するの?

- 甲状腺は代謝と成長を制御する重要な器官
- サイロキシンやトリヨードサイロニンなどのホルモンを分泌
- これらのホルモンは犬のエネルギー消費や体温調節に関与
- 下垂体ホルモンによって甲状腺機能が制御される
甲状腺は喉頭の下あたりの気管の上に左右1つずつ存在しており、サイロキシンやトリヨードサイロニンと呼ばれる甲状腺ホルモンを分泌します。これらのホルモンは犬の体内で重要な役割を果たし、代謝や成長、体温の調節に関わっています。甲状腺の活動は下垂体ホルモンによって細かく調整されています。
犬の甲状腺機能低下症とは?
- 甲状腺ホルモンの欠乏が原因で代謝が低下する
- 犬では一般的な病気で、特に中年から高齢の犬に多く見られる
- 猫では非常に稀な病態
甲状腺機能低下症は、サイロキシンやトリヨードサイロニンの欠乏によって引き起こされる病気で、犬においては比較的一般的に見られます。この状態は犬の代謝機能の低下を引き起こし、さまざまな健康問題をもたらす可能性があります。
最も一般的なタイプ、原発性甲状腺機能低下症とは何か?
- 甲状腺自体の問題が原因となる
- 甲状腺機能低下症の大多数を占める
- リンパ球性甲状腺炎や特発性甲状腺萎縮が主な原因
- 二次性や三次性の甲状腺機能低下症も存在
原発性甲状腺機能低下症は、甲状腺自体の機能不全によって引き起こされる状態で、甲状腺機能低下症の大多数を占めます。主な原因はリンパ球性甲状腺炎や特発性甲状腺萎縮であり、これらは甲状腺組織の破壊や機能低下を引き起こします。また、二次性や三次性と呼ばれるタイプの甲状腺機能低下症もあり、これらは他の疾患や状態によって引き起こされることがあります。
どのような症状が見られる?診断方法は?
- 甲状腺機能が約80%破壊された際に症状が現れる
- 中型犬や大型犬に多く見られる傾向
- 皮膚や被毛の変化、肥満、活動性低下などが主な症状
- 血液検査による診断が一般的
甲状腺機能が約80%破壊された時に症状が現れ、徐々に進行します。中年の犬に多く見られ、ゴールデンレトリーバーやシェルティー、柴犬などの中型犬や大型犬に多いです。皮膚や被毛の変化、肥満、活動性低下、貧血などが主な症状です。診断は主に血液検査により行われます。
甲状腺機能低下症の治療方法は?
- 甲状腺ホルモン補充療法が主な治療方法
- 適切なホルモン量の投与が重要
- 定期的なホルモンレベルのモニタリングが必要
甲状腺機能低下症の診断は血液検査により行われ、治療には甲状腺ホルモン補充療法が用いられます。犬の活動性や全体的な健康を改善するために、適切な量の甲状腺ホルモンの投与が重要です。治療は犬の症状やホルモンレベルに基づいて調整され、定期的なモニタリングが必要です。
治療の副作用と犬の将来は?
- 甲状腺機能低下症の予防法は存在しない
- 定期的な健康診断による早期発見が鍵
- 適切な治療管理で良好な予後が期待できる
- 治療中の副作用に注意が必要
甲状腺機能低下症の予防法はなく、定期的な健康診断による早期発見が鍵です。治療中の犬は、甲状腺ホルモンの過剰に注意が必要です。適切に管理されれば、良好な予後が期待できます。しかし、治療は犬の一生を通じて続ける必要があるため、飼い主の継続的な注意とケアが不可欠です。
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