blog_main_dog_pyoderma

犬の膿皮症の症状とは?原因と治療法を獣医師が解説|赤み・ブツブツ・かさぶたに注意

2026年3月12日

著者桑原先生画像

くるみ動物病院
桑原 慶先生

「犬の皮膚が赤いけど膿皮症?」「ブツブツやかさぶたは放っておいて大丈夫?」「犬の膿皮症はうつるの?」
気になりますよね。

このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。

この記事では、犬の膿皮症の症状・原因・検査・治療法について分かりやすく解説します。
早期発見と適切な治療を行うことが、再発予防のためにも重要です。

犬の膿皮症とは?細菌感染による皮膚病

さて、今回は犬の膿皮症がテーマです。皮膚病の中で最も多い疾患の一つで、ワンちゃんと生活している飼い主様は聞いたことがある病名かもしれませんね。聞いたことがある方も、初めて聞く方も今回は「膿皮症」について勉強しましょう。

犬の膿皮症の原因は?ブドウ球菌の増殖

膿皮症は一言で言えば細菌による皮膚感染症です。原因となる細菌は、主にブドウ球菌です。ブドウ球菌は顕微鏡でみると実際にブドウの房状にみえることからこのように呼ばれます。ブドウ球菌は皮膚の常在菌なので健康な犬のワンちゃんの皮膚にも生存しています。つまり膿皮症はうつりません。他の犬にも、もちろんヒトにもうつりません。

このブドウ球菌がなにかのきっかけで増殖し、皮膚で炎症が起こっている状態のことを膿皮症といいます。細菌が増殖する背景にはいろいろな要因が隠れているため、そこを突き止めて治療することが大切です。

犬の膿皮症の症状は?赤み・ブツブツ・かさぶた

膿皮症の症状は様々ですが、基本的には「増殖した細菌に対する炎症」が目に見えている状態のことなので、皮膚の「赤み」「ブツブツ」「かさぶた」が一般的で、「かゆみ」を伴う場合もあります。

普段のスキンシップやブラッシングの際に、皮膚の変化に気づけることもあります。

犬の膿皮症の検査は?皮膚検査と細菌培養

膿皮症の診断は、皮膚の「ブツブツ」や「かさぶた」の部分にブドウ球菌が存在することを証明する必要があります。

同じような皮膚の症状でも、寄生虫や真菌、まれに腫瘍や免疫疾患が隠れている場合があるので、皮膚検査や細菌培養検査等を組み合わせて慎重に診断していきます。

また、「膿皮症」を何度もくり返す場合や、治りにくい場合には、その他の病気が隠れている場合もあるので、血液検査や尿検査、画像検査などを組み合わせて全身の健康状態を調べることが必要となります。

犬の膿皮症の治療法|抗菌薬とシャンプー療法

抗菌薬による治療

治療は大きく2つに分けられます。抗菌薬の内服による治療とシャンプーによる治療です。

まず、抗菌薬による治療のお話をさせて頂きます。膿皮症ではブドウ球菌が主な原因となるため、ブドウ球菌に対して有効と考えられる抗菌薬を内服する必要があります。

しかし近年では、薬剤耐性菌が増加しており、一般的な抗菌薬が効かないケースもあります。そこで薬剤感受性試験を踏まえて、効く薬を使っていくことが理想的です。

通常、効果的な抗菌薬を内服すると1~2週間で症状が和らいできますが、油断は禁物です。中途半端にやめてしまうと再発したり、薬剤耐性菌を作り出す原因にもなるので、かかりつけの動物病院の獣医師の指示通りに通院のうえ、投薬を継続してあげて下さい。

また、一般的な抗菌薬の副作用として「便がゆるくなる」「吐き気をもよおす」などの症状が出る場合があります。気になる症状は、動物病院に相談しましょう。

シャンプーによる治療

つぎに、シャンプーによる治療のお話をさせて頂きます。抗菌成分の配合された専用の外用薬をつかって、皮膚表面を消毒することで効果を発揮します。

水で薄めずに使用することや皮膚を洗浄後5分程度おいてから洗い流すなど、普段のシャンプーとは異なる方法になりますので、使用頻度も含めてかかりつけの動物病院の指示に従うようにしましょう。

まとめ|犬の膿皮症はうつる?人への感染は?

今回は、「犬の膿皮症」についてまとめました。ワンちゃんの皮膚の「赤み」「ブツブツ」「かさぶた」などは、普段のスキンシップやブラッシングなどで発見できる場合もあると思います。愛犬の皮膚の異常に気づいたときは、かかりつけの動物病院を受診しましょう。

今回取り上げた「膿皮症」は犬で一般的な病気で、猫ではあまりみかけません。

ちなみにヒトでは犬の膿皮症に相当すると考えられる皮膚病があります。代表的なものが、伝染性膿痂疹、いわゆる「とびひ」です。犬と違い、伝染性膿痂疹は接触により他の人にうつってしまうようなので、気をつけましょう。

著者・桑原慶先生のプロフィール

福岡市中央区唐人町のくるみ動物病院院長・獣医循環器認定医。2019年4月獣医循環器認定医資格取得。

【所属医師会】福岡県獣医師会・福岡市獣医師会・日本獣医循環器学会・九州画像診断研究会

桑原先生の記事一覧はこちら
くるみ動物病院公式サイト

to-top