耳のお手入れは外耳炎などの予防のためにも欠かせないケアの1つです。
しかし、やり方を間違えると、耳のトラブルに繋がったり、耳の中を傷つけたりしてしまう可能性があります。
正しいケアでペットの耳のトラブルを防ぎましょう。
今回は犬・猫の耳のお手入れについて主に
・犬・猫の耳の基本知識を知る
・準備するもの
・耳のお手入れの方法
の、3つに沿ってお話したいと思います。
もくじ
犬や猫の耳の基本知識
〈耳の構造〉

犬・猫の耳は耳介(じかい)、外耳道、鼓膜、中耳、内耳に分けられます。
今回の耳のお手入れの対象になるのは耳介と外耳道です。
耳介は音を集める働きをしており、人でいうと外に見えている部分(耳たぶ)にあたります。
外耳道とは耳の入り口から鼓膜までを指します。
ここで押さえておきたいのが外耳道の形です。
人の外耳道は鼓膜まで一直線ですが、犬・猫の外耳道はL字型をしています。
まず先に縦方向に伸びている垂直耳道、その先に横方向に伸びている水平耳道があり、鼓膜に繋がっています。
水平耳道は基本的には外から見ることができません。
私たちが犬・猫の耳の中を見て「きれい」と思っても、見えない水平耳道が汚れている場合もあります。
耳のトラブルが起きやすい種類
犬や猫の中にも、耳のトラブルが起きやすい犬種・猫種がいます。日頃から気をつけてあげましょう。
垂れ耳の犬種・・・ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、キャバリアな
ど
耳毛が多い犬種・・・トイプードル、シーズー、マルチーズ、シュナウザーなど
外耳道が狭い犬種・・・パグ、フレンチブルドックなどの短頭種
耳に特徴がある猫種・・・スコティッシュフォールド、アメリカンカール
耳のお手入れ方法
準備するもの
耳のお手入れで準備するものといえば、綿棒を思い浮かべると思いますが、犬・猫の耳のお手入れでは使用しません。
綿棒を使用すると、耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があるだけではなく、犬・猫が動いたりして耳の中を傷つけてしまう可能性もあります。
実際に使用するものは、
・イヤークリーナー(耳の洗浄液)
・コットン
この2つで十分です。
手順
1.イヤークリーナーを人肌に温めます。耐熱容器等に入れ、レンジで温めると良いでしょう。
2.人肌に温めたイヤークリーナーをコットンに含ませ、耳介の汚れを優しく拭き取ります。汚れがひどい場合には耳の中にイヤークリーナーをたっぷり(片耳約1ml)入れて耳の付け根をマッサージするように揉みましょう。
3.最後は、犬・猫が頭を振って出てきた耳垢をコットンで優しく拭き取りましょう。
コツ
犬・猫が頭を振った際に耳垢が周りに飛び散ってしまうこともあるため、お庭や浴室などで行うと良いでしょう。
なかなか頭を振ってくれない子の場合は、耳に息を軽く吹きかけると頭を振ってくれることがあります。
注意したいこと
耳毛が多い犬の場合、耳毛のカットが必要な場合もありますが、耳毛のカットはご自宅で行わず、動物病院、もしくはペットサロンで行ってもらうようにしましょう。
また、耳のお手入れで嫌なことを経験してしまうと、今後耳のお手入れをさせてくれなくなります。
嫌がるようであれば無理に行わず、片耳だけ行い、もう片耳は後日行うようにしましょう。
耳のお手入れが上手にできたときは褒めてあげたり、ご褒美(おやつ等)を与えたりして、耳のお手入れをいい思い出にしてあげましょう。
お手入れ頻度
お手入れの頻度は、定期的なお手入れが必要ない子や、こまめなお手入れが必要な子など、その子によってさまざまです。
お手入れ頻度はかかりつけの獣医師と相談して決めましょう。
猫の場合
猫の耳のお手入れは嫌がる子が多く、犬に比べ難しいです。
猫の場合は、猫がリラックスしている時に飼い主様が優しく、そして素早く行うことが大切です。
嫌がった時には無理せず中止し、次の機会、もしくは動物病院やペットサロンで行うようにしましょう。
まとめ
今回は犬・猫の耳のお手入れについてお話ししましたが、「耳垢が多い」「耳から悪臭がする」「耳を痒がる」「耳が赤く腫れている」などの症状がある場合は、ご自宅でお手入れをする前に一度動物病院を受診し、必要であれば先に治療を行いましょう。
判断に迷う場合は、動物病院を受診、もしくは獣医師に相談してください。

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