動物も耳が遠くなるの?|ペットの飼い主さん必見

2020年10月20日

ゆう動物病院 
田積佳和先生

犬も猫も優れた聴覚の持ち主であることはよく知られていますね。
では、動物たちも耳が遠くなるのでしょうか。
不思議に思ったことがある人もいるかもしれません。
動物でも、一般的に老化による聴力の低下は起こります
老齢の動物と一緒に暮らしている人なら、動物たちの行動の変化から、聴力の低下に気付くことが多いのではないでしょうか。
聴力が低下した犬や猫には

・家族が帰宅してもお出迎えをしなくなってそのまま寝ている
・インターホンが鳴るとすぐに吠えていた/隠れていたのに反応しなくなった
・人が近づく気配、物音にも気付かない
・雷を怖がらなくなった

などの変化が見られます。
今日は、聴力が低下する原因と、耳が遠くなってしまった時の対処法についてお話していきましょう。

なるほど!耳で音が聞こえる仕組み

聴力が低下する原因はいくつかありますが、それについてお話する前に、音はどうやって認識されているかをお話します。


耳は、外から順に外耳・中耳・内耳に分けられます。
人でいう耳たぶの部分を耳介といい、耳の穴を耳道といいます。耳介~耳道を外耳といい、耳道の奥に鼓膜があります。
鼓膜の奥の「中耳」は鼓室・耳小骨・耳管から、中耳の奥の「内耳」は、半規管と蝸牛から構成されています。
音は、耳道を通って鼓膜を振動させ、鼓膜の振動が耳小骨へ、さらに内耳の蝸牛へと伝えられます。
蝸牛内にはリンパ液という液体が入っており、この液体の振動を蝸牛内の細胞が感知して聴神経を刺激、脳へ信号が伝達されて音が認識されます。
この一連の経路が障害されると聴力の低下が生じるのです。

どうして耳が遠くなるの?

聴力の低下の原因はいくつか考えられます。

・老化
年齢を重ねることで蝸牛内の細胞数の減少などが起こり、音を感知する能力が低下します。
・感染症(外耳炎、中耳炎、内耳炎)
外耳に炎症が生じると、耳道が厚くなることで狭窄し、ひどければ閉塞を生じます。
耳道の閉塞や鼓膜の損傷が生じると空気の振動をうまく耳の奥に伝えることができず、聴力が低下します。耳に炎症がある場合、痒みや痛み、耳だれなどの症状がみられることも多く、定期的に犬や猫の耳をチェックすることで早期発見に努めましょう。
・異物
植物の種子や毛、虫、ゴミなどの異物が耳道内に入ってしまうこともあり、炎症を起こす原因にもなります。
・薬
特定の薬で聴覚障害が起きることが報告されています。何らかの薬物に曝露された可能性がある場合にはかかりつけの獣医師に伝えましょう。
・脳、聴神経の障害
耳の機能は正常でも、音による刺激を脳に伝達する神経に障害があったり、刺激を受け取って認識する脳自体に障害があったりすると聴覚は正常に働きません。他の神経症状とあわせてみられることもあります。
 
このように、聴力の低下といっても原因は様々です。
耳が遠くなったのではと感じたら、「歳のせいだろう」と即決めつけてしまわずに、まずはかかりつけの獣医師に相談しましょう。

耳が遠くなったら気をつけてあげたい2つのこと

1.日常の中で驚かせない工夫を

聴覚が衰えると、物音で周囲の変化を把握することがむずかしくなりますので、動物は臆病になりがちです。
急に触るとびっくりして咄嗟に噛んでしまうこともあります。
寝ているのであれば、床を叩くなどの方法で起こしてから、視界に入る、臭いを嗅がせるなどの方法で人を認識させてから触るようにしましょう

2.楽しい刺激を与えてあげよう

嗅覚トレーニングや知育トイなども老齢動物にとってよい刺激になり、運動機能の維持や認知症の予防にもつながります。

まとめ

愛するわんちゃん、猫ちゃんの耳が遠くなったら、それまでとは違う反応や行動に、飼い主さんもとまどってしまうかもしれませんね。
でも、「耳が遠くなったから〜できない」、「もう歳だから仕方ない」ではなく、
耳が遠くなった、それでもできること、楽しめることを
と考えてあげてください。
ペットの健康寿命のために、愛情をもって、そして前向きに接してあげていただきたいと思います。

アニー先生
アニー先生

アニポス公式ブログは犬や猫などペットの飼い主さんの悩みを解決できる記事が充実してます。ブックマーク・お気に入りに追加して愛犬・愛猫との暮らしにお役立てください。

著者・田積佳和先生のプロフィール

山口大学農学部獣医学科卒業。ゆう動物病院(兵庫県加古郡播磨町)院長。

JAHA認定・総合臨床医。【所属学会】(ISFM(国際猫医学会),日本獣医皮膚科学会,日本小動物歯科研究会,日本獣医動物行動学研究会,災害動物医療研究会)

田積先生の記事一覧はこちら

ゆう動物病院公式サイト

Tag

おしゃれ
おれ耳
お手入れ
くしゃみ
しこり
しっぽ
しつけ
におい
ぶどう
まとめ
アウトドア
アトピー
アトピー性皮膚炎
アナフィラキシーショック
アニマルセラピー
アメリカンショートヘア
アレルギー
アンケート
インタビュー
インフルエンザ
カビ
キシリトール
キャットフード
グルーミング
コロナウイルス
ゴールデンウィーク
サルモネラ症
シャンプー
スコティッシュフォールド
ステロイド
ストレス
ズーノーシス
ダニ
チョコレート
トイプードル
トイレ
トリミング
トレーニング
ドッグフード
ドライヤー
ノミ
ハチ
バッグ
バルトネラ症
フィラリア
ブドウ膜炎
ブラッシング
ヘルニア
ペット
ペットサロン
ペットフード
マーキング
メンタル
リラックス
レプトスピラ感染症
ワクチン
炎症
熱中症
爪とぎ
爪切り
狂犬病
狼爪
獣医師
玉ねぎ
生理
生殖器疾患
田積先生の記事
甲状腺機能低下症
病気
痙攣
皮膚病
目やに
真菌性皮膚炎
睡眠
短頭種
移行上皮癌
突発性膀胱炎
精巣手術
糖尿病
細菌性膀胱炎
結石
緑内障
避妊
肛門腺
肛門腺炎
肛門周囲腺腫
肝炎
肥大型心筋症
肺水腫
胆嚢粘液嚢腫
腎臓病
腫れ
腫瘍
膀胱
膀胱炎
膀胱腫瘍
膝蓋骨脱臼
膣炎
花粉
花粉症
薬浴
露出性角膜炎
靴下
血尿
血液検査
血便
行動
食べ物
食欲不振
食欲低下
食中毒
飲み薬
首輪
角膜障害
認知症
誤食
誤飲
骨軟骨異形成症
骨折
骨付き鶏肉
谷口先生の記事
貧血
鳥海先生の記事
鳴き声
車酔い
鼻水
SFTS
健康
健康診断
僧帽弁閉鎖不全症
分離不安
前立腺肥大症
副腎皮質機能亢進症
副作用
動物病院
動物団体
卵巣腫瘍
去勢手術
口臭
口内炎
吠える
呼吸
呼吸困難
和田先生の記事
喧嘩
嘔吐
噛む
回虫
回虫症
外耳炎
多頭飼い
多飲
多尿
大川先生の記事
失神
子犬
子猫
子宮蓄膿症
定期健診
寄生虫
寄付
小型犬
尿
尿石症
尿路疾患
尿路感染症
尿検査
屋外
山田先生の記事
心臓
心臓病
心不全
怪我
愛玩動物看護士
感染症
投薬治療
抗生剤
拘束型心筋症
拡張型心筋症
排尿障害
救急
散歩
栄養
桑原先生の記事
検査
歯磨き
歯周病
毛玉
気管虚脱
治療
注射
消化器疾患
涙やけ
涙目
下痢
下部尿路疾患
不整脈
中毒
乳腺腫瘍
予防
予防薬
予防接種
人獣共通感染症
人気
仕事
体重
体重減少
体臭
体調管理
体温
便
保護猫
to-top