短頭種は頭の大きさに比べて鼻の長さが短い犬種で、フレンチブルドック、パグ、シーズー、ペキニーズなどが当てはまります。
「鼻ぺちゃ犬」、「ブサカワ犬」と呼ばれたりと、その愛くるしい顔つきからとても人気がある犬種たちです。
しかしその特徴ゆえに、短頭種の犬がかかりやすい病気があるのも確かです。
今日は短頭種のワンちゃんに特に気をつけて欲しい病気について、お話していきたいと思います。
もくじ
鼻ぺちゃ犬は、気管の病気に気をつけたい「短頭種気道症候群」
短頭種の犬に多い病気のひとつに「短頭種気道症候群」という、短頭種に特徴的な病気があります。
他の犬種と比較して鼻の穴が小さく、咽頭の変形、気管の低形成がみられることが原因です。
「短頭種気道症候群」の症状と治療
短頭種気道症候群の症状は、いびきや咳、呼吸困難や嘔吐などです。
若齢から症状がみられ、徐々に進行していくことが多いため、なるべく早期に外科手術を検討します。
手術の方法はそれぞれの症例に合ったものを組み合わせて行うことが重要になりますが、喉の奥を評価する必要があるため、麻酔をかけて診断することが必要になります。
「短頭種気道症候群」の予防
予防としては適切な体重管理、気温や湿度の高い日は運動を避けるなど熱中症対策も重要です。
これからどんどん気温が上がり暑くなる季節ですので、他の犬種以上に熱中症対策が必要です。
また気道が圧迫されないように首輪ではなくハーネスを使用するといいでしょう。
愛くるしい表情に隠れた「皮膚炎」
短頭種の顔はしわが多く、皮膚が垂れているのが特徴です。
そのため、
奥におりたたまれた皮膚が炎症を起こしてしまうことがあります。
「皮膚炎」の症状と治療
しわの奥には汚れや垢が溜まりやすく、放置すると皮膚炎を起こしてしまいます。
皮膚炎が起こると、皮膚が赤くなったり、臭い匂いがしたり、痒みを伴います。
「皮膚炎」の症状と治療
皮膚の常在菌である細菌やマラセチアという酵母菌は蒸れた環境で増えやすいため、しわの間を日頃から洗浄して清潔にする必要があります。
フレンチブルドッグに多い「アトピー性皮膚炎」
人気の犬種の1つであるフレンチブルドックですが、アレルギー性皮膚炎、特にアトピー性皮膚炎が多く見られます。
これは一般に、遺伝の関係だと言われているようです。
「アトピー性皮膚炎」の症状と治療
アトピー性皮膚炎はダニや花粉など
環境中のアレルゲンに対する過剰な免疫応答によって引き起こされる痒みで、若い頃から症状が見られます。
症状はしつこく強い痒みで、掻くことで皮膚に炎症が起き、脱毛や色素沈着が見られます。
皮膚の病変が出やすい場所は顔や耳、手足、脇や股です。
季節によって悪化することもあります。
体質の問題のため完治させるということは難しく、生涯にわたり付き合っていくことが必要です。
「アトピー性皮膚炎」の予防
痒みを抑える薬、シャンプーや保湿剤を使ったスキンケア、皮膚用の処方食などを上手に使い生活の質を向上させます。
大きな目は怪我や乾燥しがち。「露出性角膜炎」
短頭種は眼が大きく飛び出ていることが多く、鼻も短いため、草むらなど何気ない場所でも容易に角膜(眼の表面)を傷つけてしまうことがあります。
シーズーなど毛が伸びる犬種は眼の周りの毛が角膜にあたり傷がついてしまうことも。大きい目だからこその注意が必要です。
「露出性角膜炎」の症状と治療
短頭種がなりがちな露出性角膜炎は、瞼が閉じきらず眼が乾燥してしまうことで起こる病気です。
充血、涙が増える、目やにが出る、眼をシパシパする、眼が乾燥するなどの症状が見られる場合には、眼を擦らせないようにして早めに動物病院を受診しましょう。
「露出性角膜炎」の予防
短頭種の目は、露出が大きいために目の表面が乾燥しやすく、それだけ刺激を受けやすい状態となっています。
日頃から目やになどのトラブルが無いか目のチェックを行い、トラブルを見つけたらすぐに受診しましょう。
まとめ
今日は、短頭種に多い短頭種気道症候群、マラセチア菌などによる皮膚炎、アトピー性皮膚炎、露出性角膜炎などの目のトラブルについてお話しました。
ワンちゃんのことを一番よくわかっているのは、飼い主さん。
何かいつもと様子が違うな、と思ったら早めに動物病院を受診してくださいね。

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