犬や猫など、ペットたちは自分の言葉で体調不良を伝えられません。逆に、体調不良を隠してしまうことも。
飼い主さんが愛犬・愛猫の体調不良を見抜くポイント3つをお伝えします。
もくじ
1.呼吸
動物が家でくつろいでいるとき、呼吸の回数をチェックしてみてください。
安静時の呼吸数が1分間に30回以上あれば、それは「早すぎる呼吸」です。
発熱や心肺機能に異常があったり、どこかに痛みがあるかもしれません。早急に病院に連れて行きましょう。
ここでポイントとなるのは「安静時」という点です。
激しく動いたあとやうれしくて興奮しているときは自然に呼吸数も増えますので、正確な呼吸数は数えられません。
安静に、たとえば寝ているときなどに数えてみてください。
呼吸で、特に猫で危険のサインになるのが開口呼吸です。
猫は犬とちがって口を開けてハァハァはしませんので、猫が口を開けてハァハァと呼吸をしていたら要注意。
なるべくストレスをかけないように気を付けて、病院に向かいましょう。
また、ペットの舌の色も注意して見てみましょう。
通常はピンク色ですが、青紫色や白っぽくなっているときは心肺機能や血液の異常が考えられます。
舌の色の判断は「いつもの色」を知っておくことが大切です。普段から舌の色を観察して「いつもと違う。」を見逃さないようにしましょう。
2.体重
「体重」はその子の健康状態を把握する大切なバロメーター。体重の減少は見落としてはいけないポイントです。
診察の中で度々出会うのが「ご飯はよく食べていたのに痩せていく」というパターン。
多くの飼い主さんが少しずつ痩せている事実に気づいていない事があります。
3カ月ぶりに動物病院で体重を計測したら2キロもやせていた。ご飯はとてもよく食べるのに。なんてことがあります。
食べているのに痩せていく場合は糖尿病、腎臓疾患、腸の吸収不良、腫瘍など病気が潜んでいることがあります。特に高齢の子は要注意です。
急激な体重の増加も要注意です。食事の量に対して体重が増えすぎる場合も一度診察をうけてみましょう。
一番大切なことは、わが子の体重異常に気付くことです。週に1回は一緒に体重計に乗ってチェックしましょう。
3.お水を飲む量、おしっこの量の異常
お水を飲む量と、おしっこの量も大切なチェックポイント。飲水量が多いことで発覚する病気もたくさんあります。
犬や猫、体格や品種によって細かく異なりますが、目安として1日に
・10キロ未満の犬であれば100ml/kg
・10キロ以上であれば80ml/kg
(例えば体重4キロなら400ml、12キロなら960ml)を超える水を飲むようなら、それは飲む量が多すぎです。
おしっこも多くなっていないか調べましょう。
大量のおしっこを何度もする場合や、あるいはおしっこがほとんど出ていない場合は要注意。
とくにおしっこが出ない場合は尿路閉塞による救急疾患の可能性もあるので、すぐに動物病院で診察を受けましょう。
まとめ
家庭で見落としやすい症状をいくつかご紹介しました。このほかにも嘔吐や下痢、異物も誤食や咳など、診察が必要な症状はたくさんあります。
気になる事があれば早めに動物病院で診察してもらいましょう。

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著者・和田慎太郎先生のプロフィール
山口大学農学部獣医学科卒業。熊本市中央区のアスター動物病院院長。動物臨床医学雑誌への執筆多数。
【所属医師会・学会】
熊本市獣医師会・熊本県獣医師会・日本獣医師会・日本小動物獣医師会(JSAVA)・日本小動物歯科研究会