涼しい日もあれば、温かい日もある季節の変わり目に差し掛かりました。
ペットと共にアウトドアなども検討されている飼い主様も多いのではないでしょうか?
今回は季節性のある疾患としてアレルギー性疾患と季節の変わり目に多い急性胃腸炎を取り上げます。
アトピー性皮膚炎・気管支炎・鼻炎
ダニ、カビ、花粉などが原因で起こる皮膚炎および呼吸器疾患です。
中でもアレルギー性鼻炎は
ヒトでも「花粉症」として馴染みが深いと思います。
症状は季節によって変化し、アレルゲンが飛散する時期にだけ痒みや咳、鼻水やくしゃみが出ます。
ペットに上記の症状が出たり、治まったりする場合には、アレルギー性疾患が隠れているかもしれません。
近年では、血液検査でアレルギーの原因物質を調べることが出来るようになっています。ペットに気になる症状がある時には、かかりつけの動物病院の獣医師にご相談頂くと良いと思います。
春から増えるアレルゲン物質として、ダニやカビなどの「ハウスダスト」、タンポポやスギなどの「花粉」、ノミや蚊などの「節足動物」が挙げられます。
これらのアレルゲン物質との接触は、日常生活をしていくうえでは、完全に避けることは困難ですが、可能な限り触れないようにすることで症状が軽減されます。
具体的には、次の5点に注意してみて下さい。
①生活環境の清掃
②空気清浄機の導入
③ペットのシャンプー回数を増やす
④全身を覆う洋服をペットに着せる
⑤お散歩コースを変更する
上記のような環境改善を行い、出来る限りアレルゲンに触れないように心がけましょう。
アレルギー症状を抑えるためには、環境改善以外にも、お薬の治療が必要になることもあります。
アレルギー検査の件も併せて動物病院にご相談頂くと良いと思います。
急性胃腸炎
急性胃腸炎による嘔吐や下痢は、春に限らず年中発症することが多いですが、涼しい日もあれば、温かい日もある季節の変わり目は、ヒトと同じようにペットも体調を崩しやすいことが考えられます。
元気や食欲があって、便が柔らかい程度であれば、数日様子を見てからの受診でも良いと考えますが、嘔吐がある時や食欲が落ちている時は、かかりつけの動物病院の早めの受診をおすすめします。
軟便や血便など、便の形や色に異常を感じる時は、便をサランラップなどに包んでご持参頂くと、便検査などもスムーズに行えると思います。

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著者・桑原慶先生のプロフィール
福岡市中央区唐人町のくるみ動物病院院長・獣医循環器認定医。2019年4月獣医循環器認定医資格取得。
【所属医師会】福岡県獣医師会・福岡市獣医師会・日本獣医循環器学会・九州画像診断研究会