動物病院の獣医師は、動物を飼っている飼い主さんにとって頼りになる存在。一方で、獣医師というお仕事を詳しく知らない方もいると思います。
アニポスでは飼い主さんの悩みを解消する記事を多くの現役獣医師に執筆頂いておりますが、この記事では”獣医師”という職業について、弊社アニポスのCEO・大川に質問してみました。
獣医師として開業経験もある大川が獣医師を目指すきっかけや、在学時代の話、また獣医師に求められる資質など多角的に語って頂きました。
もくじ
生命への興味から獣医学部へ
Q: なぜ獣医師の道を選んだのですか?
小さい頃から、人間を含め生き物みんなに興味がありました。
「なんで生き物は動くの?なんで病気になるの?なぜ死んでしまうの?」など、生き物に関してたくさんの疑問を抱いていました。
当時ものすごい動物好きだったとか、ペットを飼いたい!と思った記憶はないのですが、小学校の時に、学校に設置されているうさぎ小屋を誰もお世話していないのを見て、いてもたってもいられずに勝手にうさぎ小屋の掃除や餌やり水やりとかを始めたことがありました。
勝手に飼育係をやっているうちに、20頭くらいいたうさぎの中で、控えめでなかなか餌にありつけない一頭をやたらかわいいと感じてしまって(笑)。
その子を少しでも元気にしてあげたくて、先生にお願いし、その日のうちに段ボールに入れて自宅に連れて帰った覚えがあります。
子供時代のエピソードで解るように、もちろん動物はかわいいと思っていましたが、いわゆる「動物大好き!」みたいな人間ではなかったので、多くの方が想像する「ペットの命を守りたい!」みたいな使命感よりも、生命に対する興味が獣医になろうと思ったきっかけなのかもしれません。
人間の構造や病気にも興味がありましたが、人間も生き物の一部であり、より多くのこと、広範囲のことを学べるだろうと考え、獣医学を学べる大学へ進学しました。
動物に関して幅広く学ぶ獣医学
Q:獣医師になるには、どんな勉強が必要ですか?
世間一般的に認知されている獣医師は、いわゆる、犬や猫といったペットのお医者さんだと思います。
しかし実際の獣医師は、例えば、牛や豚などの畜産、食品衛生分野、公衆衛生分野、製薬や研究機関など幅広い分野で、その専門知識を使って活躍しています。
獣医師になるためには、獣医学を学べる大学に入学し、必要な単位をおさめ、一年に1回行われる獣医師国家資格試験に合格し、国に獣医師登録をすることが必要です。
大学では様々な講義があって、将来なりたいのがペットのお医者さんだったとしても、獣医師になるためには全くその分野とは関係のない「ように見える」分野も学び修める必要があります。
私自身も、食品を燃やして、その食品のカロリー(熱量)を算出したりする授業で「どんな関係があるの…?」と思いながら受けていたこともあります。
とにかく、一通り動物に関して幅広く学ぶことができるのが、獣医学を学べる大学です。
とはいえ、授業では各分野のさわり程度しか学ぶことはできません。もっと深掘りして詳しく学びたい分野に関しては、研究室などに所属し学ぶことが多いように思います。
私は、生物の病気・病態に興味があったので、「獣医内科学研究室」に所属し、犬猫の臨床をしながら、犬の乳癌の分子生物学的な研究を行い、卒論もこのテーマで書いています。
分野によって異なる求められる資質
Q:獣医師には、どんな人が向いていると思いますか?
私の周りには、小動物臨床の獣医師、公務員(公衆衛生)獣医師、製薬会社の獣医師、畜産動物獣医師など多くの分野で活躍する獣医師さんが多くいます。
それぞれの分野で求められる資質は、それぞれで異なっていると思うのですが、共通点はみんな「学習意欲が高い」ことですね。
獣医師という職業は、「獣医になりたくてなった」人が圧倒的に多い仕事です。「やらなくてはいけないから学ぶ」ではなくて「興味があるから学ぶ」という気持ちが続いているから、学習意欲が高いのかもしれません。
必要な資質の例をあげれば、小動物臨床の獣医師であれば、ペットはもちろんですが、その飼い主様の気持ちに寄り添うことができる「共感する能力」があるとより良いかもしれないなど、分野によって様々なものがあると思います。
ペットを想う気持ちに寄り添う獣医師として、アニポスCEOとして
Q:臨床獣医師時代、実際にペットや飼い主さんと接する日々はどうでしたか?
飼い主様のペットに対する想いに応えようととにかく無我夢中だったので、「楽しい」よりも「大変」の方が大きい毎日でした。
でも、だからこそ学びがあり、自分が成長することができた日々でもありました。
関わることができた動物たちや飼い主の皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
まとめ
アニポスでも大変なことが圧倒的に多いですが、飼い主様により良いサービス・プロダクトの提供を目指し一生懸命に働いています。飼い主様のペットに対する想いに寄り添い応えていきたいという想いは、臨床獣医師だった頃とそのまま同じです。
これからも獣医師という国家資格に責任を持って、ペットと飼い主様のよりよい未来のために尽くしていきたいと思っています。


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