「子犬の社会化の時期はいつ?」「社会化って何をすればいいの?」と悩む方は多いですよね。
このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。
この記事では、子犬の社会化の適切な時期から今日から始められる社会化プログラムまでを、獣医師がわかりやすく解説します。
結論として、子犬の社会化は「生後3〜12週齢が特に重要」で、適切な刺激を段階的に経験させることで将来の問題行動の予防につながります。
もくじ
子犬の社会化期とは|生後3〜12週が特に重要
動物にとって不安や恐怖心は危険な状況を回避するために重要な反応です。しかし、この反応が過剰になってしまうと社会生活に不適応が生じてしまい、人では精神疾患、動物では問題行動の原因になると考えられています。これらの不安や恐怖心は遺伝の要素もありますが、動物をとりまく環境や学習の影響も大きいと考えられています。中でも社会化期といわれる時期(犬では生後3~12週齢)に多くの社会化体験をした犬は不安や攻撃性が低く、人間との生活にも馴染みやすいといわれています。今回の記事では、具体的に子犬のどのような時期にどのような社会化プログラムを行うと効果的なのかをまとめます。
社会化期の3ステップ|前期・後期・完了期
1. 社会化期 前期(3~9週)
母犬や同腹の兄弟犬との遊びのなかで、咬む力の調節や犬同士のボディランゲージを獲得する大切な時期です。この時期を豊かな環境で過ごせた子犬はストレス反応性が低く、社会性が高い状態で育つ土台を作ることができると言われています。
2. 社会化期 後期(9~12週)
新しい家庭での生活を開始するのに適切な時期と考えられています。人との生活にうまく適応できるように後述する社会化プログラムを行うことが重要です。
3. 完了期(13週~)
社会化を強化する期間がないと、行動が逆戻りして社会化期に馴らした経験に対して恐怖心を抱くこともあります。この時期も社会化プログラムを継続して行うことが大切です。
今日からできる!子犬の社会化プログラム|自宅・外・人・物
子犬の社会化プログラムは、子犬がさまざまな環境、人、動物に慣れ、適応能力を高めるための計画的なトレーニングです。
1. 自宅内での刺激
掃除機、洗濯機、テレビの音、外から聞こえる音などに少しずつ慣れてもらいましょう。
2. 自宅外での刺激
通行人、他の犬、自転車、自動車、バイク、踏切などを見たり、音を聞いたりしましょう。同じ月齢の子犬や成犬と交流する場を設けることで、社会的スキルを養います。公園や信頼できる友人のペットなど、安全な環境で少しずつ慣れてもらいましょう。ワクチンプログラムが終了するまでは、他の犬との直接的な接触は避けて、ゲージや抱っこ紐などで移動することで感染症にかかる可能性は低くできるでしょう。
3. 人に対する社会化
家族や親戚、友人、来客や子どもなどに慣れてもらいましょう。男女問わず様々な人に接する機会を作りましょう。子犬の好きなおやつを相手から与えてもらうのもオススメです。触ってもらった後すぐにご褒美を与えるのがうまく慣れさせるポイントになります。子犬にストレスがかからない程度に様子を見ながら行いましょう。
4. 物に対する社会化
歯ブラシ、ブラシ、タオル、ドライヤー、爪切りなどの音や感触に少しずつ慣れてもらいましょう。犬は飼い主様から生涯お世話をしてもらうことになるため、体のどこを触っても快く受け入れてもらえるように少しずつ学習してもらうことが大切です。必要となるケアを良い経験として学習してもらうことが重要です。おやつや食事などのご褒美を上手に利用し、楽しく毎日少しずつ練習することが大切です。
まとめ|無理のないペースで「良い経験」を積み重ねる
子犬の社会化は、愛犬が幸せで充実した生活を送るためにとても大切なステップです。飼い主様が犬のペースに合わせて、楽しくストレスのない方法で新しい経験を積むことが、社会化の成功の鍵となります。少しずつ周囲の刺激に慣れさせることで、愛犬が自信を持って他の犬や人、環境と関われるようになっていきます。日々の努力が、将来の愛犬との幸せな関係につながることを忘れずに、楽しんで向き合ってください。
著者・桑原慶先生のプロフィール
福岡市中央区唐人町のくるみ動物病院院長・獣医循環器認定医。2019年4月獣医循環器認定医資格取得。
【所属医師会】福岡県獣医師会・福岡市獣医師会・日本獣医循環器学会・九州画像診断研究会
