猫の口臭はなぜ起こる?予防方法は?|獣医師が解説します

2021年9月14日

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猫の診療室モモ
谷口 史奈先生

「猫を吸う」という表現が数年前に流行りましたね。

愛猫の頭やお腹に顔を擦り寄せて、スーハーと匂いを嗅ぐ行為です。
猫好きさんなら心当たりがありますよね?(笑)
最近吸ってないな…という方は、今すぐ愛猫の顔を吸ってみてください。
(キスはダメですよ)
お口から変なにおいはしませんでしたか?

猫の口臭はあらゆる病気のサインの可能性があります。

今回は「愛猫の口がくさい!」から考えられる病気や、デンタルケアの方法についてお話しします。

アニー先生
アニー先生

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猫の口がくさい時に考えられる病気

1.歯周病

まず思いつくのが歯周病でしょう。

3歳以上の猫の8割が歯周病とも言われるほど、猫にとっては身近な疾患です。

・歯茎が赤い
・歯の一部が変色している
・歯石と思われる塊がついている
などの場合は真っ先に歯周病が疑われます。

子猫でこのような状況がみられた場合、乳歯の生え変わりで一時的に赤くなったりにおいがしたりしている場合もあります。
ただ、そのまま若年性歯周病に移行する子もいますので経過観察が必要です。
歯周病の予防としては、ワンちゃん同様に歯磨きがベストです。

後半で詳しくお話ししますね。

2. 口内炎

口内炎というと、ポツっとした炎症ができて塗り薬などで治るイメージですが、猫の口内炎は全く違います
口の中全体、歯茎から口角や喉の奥まで含めて赤くただれてしまい、かなりの痛みを伴います。
しかも難治性で、場合によっては 麻酔をかけて歯を全部抜かないと痛くて食べられないという子もいます。
ウイルス感染や免疫力の低下などいくつかの要素が関わっている場合が多く、治療の流れもその子によって変わってくるので、口内炎が疑われる場合はまずは動物病院を受診して頂く必要があります。

3.腫瘍

口腔内に扁平上皮癌などの腫瘍ができている場合、歯肉炎やヨダレ、口臭の一因になります。
進行すると口をうまく開閉できなくなり、食べることができなくなるおそれもあります。

4.腎臓病

主に高齢の猫ちゃんですが、腎臓病が進行すると独特な口臭がすることがあります。
特に、アンモニア臭のようなツンとしたにおいがする場合は緊急事態の可能性もあります。
また、脱水や歯肉炎の進行も併発しますので、もともとあった口臭も強くなります。

5.糖尿病

こちらもある程度歳を重ねた猫ちゃんがメインです。
糖尿病が進行すると、ケトン臭という甘酸っぱいようなにおいがする場合があります。

アニー先生
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とはいえ、猫ちゃんのデンタルケアは大変そうですよね。どうするのが正しいのでしょうか。

無理やりは逆効果!猫のデンタルケアの方法

歯周病については定期的な歯のケアで予防できますので、
愛猫が嫌がらない方法を何かひとつでも取り入れることをお勧めしています。
ついつい、張り切って歯磨きをしようとしてしまいますが、
嫌がる子にいきなり歯ブラシから始めるのは逆効果です。

無理矢理磨いているうちに、口を触られることそのものを嫌いになってしまい、 歯磨きはおろか口腔内のチェックすらできなくなってしまうおそれもあります

猫の歯磨きはステップバイステップで

以下に、簡単なケアから順に一番難しいケア(歯磨き)まで順番に挙げていきます。
もちろん、より難しいものの方がより効果が期待できます。
歯磨きはあくまでもケアの頂点で、難しい子(大半の子は難しいです)はひとつずつレベルを下げて、愛猫が嫌がらないギリギリラインくらいのケアにしておきましょう
そして慣れたらひとつずつレベルを上げていってください。
焦りは禁物、数ヶ月かけて慣らすようにしましょう。

  Lv. 1  フードにふりかけるタイプ、
 飲み水に入れるタイプなどのデンタルケアグッズを使う 
 Lv. 2  デンタルケア用のトリーツ(おやつ)を与える 
 Lv. 3  デンタルケア用のサプリを食べさせる 
 Lv. 4  デンタルジェルを猫の鼻先につけて、自分で舐めてもらう 
 Lv. 5  デンタルジェルを猫の口の中に塗って舐めさせる 
 Lv. 6  指磨き 指に直接デンタルジェルをつけて、指で磨く 
 Lv. 7  ガーゼ磨き ガーゼを指に巻いてデンタルジェルをつけて磨く 
 Lv. 8  歯磨き 歯ブラシにデンタルジェルをつけて磨く 


ちなみに、
各段階の練習として、デンタルジェルのかわりにペースト状のおやつ(通称「チュール」など)を使うと早く慣れてくれる効果が期待できます
ただ、中にはおやつが嬉し過ぎてガーゼごと飲み込んでしまった子もいるので、注意が必要です。

医療として歯石除去をすることも

なお、必要に応じて歯石除去(スケーリング)という処置を動物病院で行うこともあります。
これは全身麻酔をして歯の表面と歯周ポケットの歯石を除去することをさし、犬も猫もトリミングサロンなどではできない医療行為になります。
稀に「無麻酔歯石除去」などをうたっているサロンさんなどが見受けられますが、あくまでも医療行為ではなく歯の見た目「だけ」を良くする行為ですので、歯周病を防ぐ効果はありません。(本当の歯石除去は麻酔をしないとできません)

まとめ

猫ちゃんの大きなストレスにならないよう、困った時は獣医師に相談してみてくださいね。

おうちでのデンタルケアについてもっと詳しく知りたい方、愛猫に最適なケア方法を知りたい方は必ず動物病院に相談してくださいね。

アニー先生
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口臭以外のにおいに関してはこちらの記事もご参考に。

著者・谷口 史奈先生のプロフィール

動物病院3年、猫専門病院2年半勤務し、2016年8月に東京都品川区に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院・同院長を勤める。猫に特化した講演・セミナー活動をはじめ、雑誌・Webサイトやメディアのコラムの執筆や監修など、精力的に活動中。

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