前回の記事では、日常でできることについてお話ししました。
今回は、受診を決めてからする事について。
もくじ
受診の直前にすること
受診を決めたら、まずは病院の混み具合を電話で確認しましょう。
診療予約が可能な病院ならば、絶対にしておいた方が良いです。
ワクチン接種はできる限り午前中の早めの時間帯に受診しましょう。
その他、時間のかかる検査が必要な症状なども早めの受診が必要ですから、問い合わせは午前中に越したことはありません。
病院に持参するものは以下です。
・これまでの経歴がわかる書類 ワクチン接種やノミダニ予防、虫下しの経歴、ウイルス検査や健康診断を行なっていればその結果、これまで病気や怪我で病院に行った事がある場合は、手元にある範囲内で治療内容がわかるもの (日頃からまとめておきましょう)
・あれば保険証
・症状によっては便や尿など(予約時に確認してください)
・お気に入りの布や毛布 待合室でキャリーバッグの上からかけて目隠しとして使用したり、診察台の上で猫ちゃんを覆ったりと、猫ちゃんのストレスを軽減するのに効果的です。
・おやつ 処置後のごほうびとしてあげられるとベストです。
受診を迷ったら
ほとんどの猫ちゃんは外出が苦手ですから、
「これくらいの症状なら家でみてれば治るかな…?」と期待してしまいがちです。
また、昨今は新型コロナウイルスの影響もあって、なるべく外出を控える方が多いと思います。
愛猫の調子が変だけど、緊急なのかいまいちわからない・・・
という場合には、以下をご参考になさってください。
緊急事態の症状例
以下の症状は緊急事態です、すぐに病院へ連絡を。
・急に立てなくなった
・オス猫は丸1日、メス猫は丸2日、全く排尿していない
・けいれんを繰り返す
・タマネギやチョコレートなど中毒性のものを食べた
・3日ぐらい何も口にしていない
・水を飲んでも全部吐き出してしまうほどの嘔吐が続く
・呼吸が浅い、または異常に深い
・体のどこかから出血があり、圧迫止血しても止まらない
少し様子を見ても大丈夫な例
以下の症状は少し様子を見ていても大丈夫です。
(状態を引き続き観察して頂くこと、食欲や元気がちゃんとあることが大前提です)
・便に鮮やかな赤色の血がついた
・数回嘔吐したが、本人はケロッとしている
・布の切れ端などを誤食したかもしれないが、本人はケロッとしている→嘔吐がなく、排便がいつものペースなら大丈夫です。
・慣れない来客でご飯を食べない
・慣れない移動時に、口でハァハァと呼吸した
・食べ過ぎでの下痢や嘔吐があった
大丈夫です、と言いつつも、「大丈夫」の見極めはとても難しいので、ちょっとでも心配なら迷わずかかりつけ病院に問い合わせましょう。動物病院は基本的には電話相談歓迎です。
ただし念頭に置いて頂きたいのは、電話の向こうには体調が悪くて治療を待っている動物がいるということ。
獣医師や動物看護師は、治療の手をとめて電話対応に当たっています。
問い合わせはあくまでも、愛猫の状況を伝えて指示をもらったり今後の治療につなげるため、また受診が必要な場合にスムーズに準備できるようにするためです。
電話で動物の体調を的確に伝えるのは慣れが必要だと思いますので、できれば日頃から愛猫の食事や排泄、嘔吐下痢などの記録をつけておきましょう。
以上を参考に、少しでも愛猫にストレスの少ない形で動物病院と良好な関係を築いていって頂ければ幸いです。
猫ちゃんの1番近くにいるのは飼い主さん。普段から体調の変化をしっかりと見てあげてくださいね。

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著者・谷口 史奈先生のプロフィール
動物病院3年、猫専門病院2年半勤務し、2016年8月に東京都品川区東中延に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院・同院長を勤める。猫の飼い主向けの講演・セミナー活動や、猫に特化した雑誌・サイトやメディアの監修や、コラムの執筆など、精力的に活動中。