突然ですが、おうちの猫ちゃんが最後に病院に行ったのはいつですか?
特に持病などのない猫ちゃんの場合、
年に1回のワクチンを打つときくらいしか連れて行かないという方が大半ではないでしょうか。
最後にいつ行ったか覚えていない方も多いかと思います。
とある調査では、過半数の猫ちゃんは
「病院には1年に1回行くか行かないか程度」だそうです。

最後に診てもらってから、気づいたら意外と時間が経ってしまいますよね。
普段から散歩をしない猫ちゃんにとって、外出は不安を伴うケースがほとんどですよね。
稀にお出かけ好きの猫ちゃんもいますが、かなり例外的です。
結果的に、「病院に行く」ことがほとんどの猫ちゃんにとっては「非日常的なイベント」になってしまっています。
そこで今回は、猫を病院に連れて行くときの不安を少しでも減らすためにおうちでできることや、受診時のコツについてご説明します。
もくじ
日頃からやっておくこと
1.適切なキャリーバッグを用意する
まず、通院に適したキャリーバッグを用意しましょう。
最近はペット関連グッズがたくさん売られており、可愛いものや魅力的な機能がついたものも多く見られますが、中には猫ちゃんの通院には適さないものもあります。
通院に適したキャリーバッグの絶対的な条件は、まず丈夫なこと。
そして脱走対策が充分に施されていることです。
犬猫兼用の布製キャリーバッグの場合、
出入口に隙間が空いていて猫だと抜け出せるものも多いので特に要注意。
その他、ファスナーのしまりがゆるいものも内側から開けてしまう可能性があるので注意です。
またハードキャリーの場合、上部と側面の2箇所に扉があると診察の時に猫ちゃんを出さずに触診や点滴ができるので便利です。
2.キャリーバッグに慣れておく
さらに重要なのは、「日頃からキャリーに慣れ親しんでおくこと」です。
キャリーを奥深くに仕舞い込んで通院時だけ出してくる状態ですと、猫ちゃんには「キャリー=病院」のイメージが強く印象付けられてしまいます。
キャリーバッグはリビングなど常に目につくところに出しておき、
中でおやつでも食べて頂いて慣れ親しんでもらいましょう。
お気に入りの毛布などを入れて寝床として普段から使ってくれるようになれば大成功です。
3.書類はまとめておく
はじめての病院に行く時にこれまでの病気やワクチンなどの経歴がわかるように、過去にかかった時の明細書や薬の説明書、検査結果などを1つのファイルにまとめておきましょう。
災害時に備えて、ワクチン証明書はキャリーバッグのポケットなどがあればそこに入れておくことをお勧めします。
4.かかりつけ病院を決める
愛猫に気になることがあった時に、
まず最初に気軽に相談できる病院(=かかりつけ)を決めておきましょう。
かかったことのない病院に行くときは緊張すると思いますが、
あまり気負わずに電話やメールで問い合わせてみましょう。
受け答えから病院のスタイルが垣間見えます。
一般的に良い病院の条件とされるのは、
質問に的確に答えてくれる
料金や待ち時間などを必要に応じて教えてくれる
院内が清潔
などですが最終的にはやはり相性です。
猫にやさしい病院の証・ISFM(国際ねこ学会)の認定制度「キャットフレンドリークリニック」
また、ISFM(国際ねこ学会)が発行しているキャットフレンドリークリニックという認定制度があり、この認定を受けた病院は「猫にやさしい病院」としての基準を満たしています。
猫に理解の深い病院であるという証ですので、近所にあると心強いですね。
認定病院一覧は検索すると見つけられますので、ぜひ参考にしてください。

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著者・谷口 史奈先生のプロフィール
動物病院3年、猫専門病院2年半勤務し、2016年8月に東京都品川区東中延に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院・同院長を勤める。猫の飼い主向けの講演・セミナー活動や、猫に特化した雑誌・サイトやメディアの監修や、コラムの執筆など、精力的に活動中。