初めて犬や猫を飼うことになった方に
「爪切りをする必要がありますか?」と聞かれることがあります。
犬も猫も人間も、生きていると爪が伸びてきますよね。
ですからもちろん、
伸びすぎてしまわないように定期的なお手入れが必要です。
今日は犬や猫の爪切りのコツや頻度についてお話していきたいと思います。
もくじ
爪切りの種類と選び方
超小型犬や猫ちゃんの場合は、人間用の爪切りでも切れないことはないかもしれませんが、やはり動物用のものが使いやすいと思います。
ニッパータイプのものとギロチンタイプのものとがありますが、どちらでも使いやすいもので大丈夫です。
中型犬以上の場合は爪も大きいので、ギロチンタイプのほうが使いやすいでしょう。
犬の爪切り
・基準は「どれくらい運動するか」
・あまり運動しない場合は月に一回程度、よく運動する場合は伸びにくい
・深爪、親指(狼爪)に注意
犬の場合、爪切りの頻度は運動の強度によって変わってきます。
室内飼育の小型犬のように、あまり運動しない子の場合は、月に1回程度を目安に爪切りをしてあげるといいでしょう。
爪が伸びすぎると、途中で折れてしまいやすくなります。
それだけでなく、爪の内部を走行する神経や血管も一緒に伸びてしまうため、爪切りのときに深爪になりやすく、痛がったり出血したりしやすくなります。
伸びすぎには注意してあげましょう。
よくお外で運動をしている子だと爪が伸びにくいですが、狼爪(人間の親指に相当する部分の爪)はあまり地面に着かないため他の爪に比べて伸びがちです。
狼爪(ろうそう・皮膚の表面が破壊されてしまう病気)にとくに注意してあげましょう。
猫の爪切り
・月に一度は爪チェック
・シニア猫は、特にこまめに爪チェックを
猫の爪は多層構造になっていて、新しい爪が常に下からつくられています。
ガリガリと爪を研ぐことで古くなった表面の爪がはがれ、新しい鋭い爪があらわれます。
爪とぎをよくしていると一定以上には伸びないことが多いですが、爪が鋭いだけに家具で爪とぎをしてしまうと家具がボロボロになってしまうこともあります。
やはり月1回程度を目安に爪切りをすることが多いです。
老猫になってくると、
関節痛などから爪とぎの頻度が減ってしまい、鈍く分厚い爪になりがちです。
そのままさらに伸びてしまうと、巻爪になって指に刺さってしまい、化膿してしまうこともあります。
関節痛の治療をしてあげると、また積極的に爪とぎをするようになる子も少なくありません。
老猫さんでは爪の状態は関節痛のバロメーターのひとつ。
こまめにチェックしてあげましょう。
深爪厳禁!犬猫の爪切りのコツ
爪切りをする人も、ペットも慣れていれば自宅で爪切りをすることも可能ですが、
深爪に注意をしましょう。
透明な爪であれば、
爪の付け根にピンク色の部分が見えますので、爪切りはその手前までにしましょう。
黒い爪だと
内部が見えない分、深爪になりやすく、より慎重に爪切りをする必要があります。
先端から少しずつ切っていき、爪の内部の芯の部分が半透明に見えてきたら終了の目安です。

毎日少しずつ切る方法も。難しい場合は動物病院へ
もともと手足の先は犬も猫もあまり触られたくない場所なので、爪切りは嫌がりがちな処置です。
子犬・子猫さんの時期では押さえ込んででもできますが、無理にやっているとどんどん爪切りが苦手になってしまい、大きくなった頃には大暴れしてしまって爪切りができなくなる子もいます。
おうちで爪切りを始めるなら、焦ってすべての指の爪切りを1回で済ませようとするのではなく、ワンちゃんや猫ちゃんの様子を良く見ながら、まずは毎日指1-2本分ずつというペースでもいいでしょう。
フードやおやつなどのご褒美を利用して、楽しい時間にしてあげるのもひとつの方法です。
それでもどうしても嫌がる場合は、爪切りに慣れた人が手早く済ませてしまうのもひとつ。
爪切りを大嫌いにしてしまう前に、早めにサロンやかかりつけの動物病院に相談しましょう。

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著者・田積佳和先生のプロフィール
山口大学農学部獣医学科卒業。ゆう動物病院(兵庫県加古郡播磨町)院長。
JAHA認定・総合臨床医。【所属学会】(ISFM(国際猫医学会),日本獣医皮膚科学会,日本小動物歯科研究会,日本獣医動物行動学研究会,災害動物医療研究会)