「最近犬の口がくさいかも…何が原因なの?」
日々の愛犬とのスキンシップの中で、犬の口臭が気になる飼い主さんもいるのではないでしょうか?
このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。
この記事では犬の口臭について、原因や予防法などを解説し、犬の健康についてより理解が深まるでしょう。
犬の口臭は思わぬ疾患が原因の場合もあります。心配な場合は動物病院へ連れて行きましょう。
もくじ
犬の口臭はなぜ起こるの?
口臭とは口から発散される不快な匂いで、口臭がきついとスキンシップも出来ず、動物にも飼い主にもストレスとなります。
犬猫の口臭は臭いのあるフードを食べた時や唾液の分泌量が減り、口腔内の細菌叢が変化した際など生理的に口臭が起こる場合があります。このような口臭は食事内容を見直したり、こまめな水分摂取で予防することができます。
犬の口臭は歯周病が原因の場合も
食事の見直しや水分摂取などで改善できる軽度の口臭もあれば、病的な口臭もあります。病的な口臭の原因で1番多いのは歯周病です。
歯周病は犬では3歳までに80%が罹患すると言われるほど、最もよく遭遇する疾患です。食事をした後に食べカスや細菌が溜まると歯垢となります。
犬や猫は口の中のPHが高いため、歯垢が歯石へと3~5日と短時間で変化します。歯垢や歯石は細菌の塊で、あるデータによると歯垢1g中にはなんと2500億個以上もの細菌がいると言われます。
これは便中に含まれる細菌1g中に100万個というデータよりもはるかに多い細菌がいることになります。長く付着したままになると歯肉が炎症を起こして歯周病になります。重度の歯周病は顎の骨を溶かしてしまうこともあります。
細菌の中でも特にグラム陰性嫌気性菌が増殖すると、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が産生され腐敗臭が発生します。
犬の口臭のチェックは、試験紙で歯肉を拭うことで揮発性硫黄化合物を検出することで調べることができ、口臭レベルをスコア化する方法もあります。
歯周病治療は軽症は自宅で、進行してるなら動物病院へ
【歯周病の治療 】
・軽症の症例 → 歯磨きやデンタルケア用品を使って家庭で可能
・一定進行してしまった症例 → 動物病院へ
歯周病の治療は、軽症の症例では歯磨きやデンタルケア用品を使って家庭ですることができますが、ある一定進行してしまった症例では動物病院で歯石除去や場合によっては抜歯など歯科処置が必要になります。
歯のケアは日頃から家庭で実施しなければならず、小さい頃からの食後の歯磨き習慣が大切です。

歯周病についてはこちらの記事もぜひ。
歯周病以外の原因は内臓疾患の場合も
【歯周病以外に考えられる口臭の原因】
・糖尿病の際のアセトンという物質
・腎臓が悪い場合(尿毒症)
・肝臓が悪い場合の尿素やアンモニア
・胃腸疾患など内臓疾患による呼吸中の臭い
・鼻炎や口唇襞の膿皮症など
・口腔内腫瘍など歯以外の口腔内疾患
歯周病以外の原因では、「糖尿病」の際のアセトンという物質や「腎臓が悪い場合(尿毒症)」や「肝臓が悪い場合」の尿素やアンモニア、「胃腸疾患」など内臓疾患による呼吸中の臭いが口臭原因の可能性があります。
また、鼻炎や口唇襞の膿皮症など口周りが臭いの原因の場合や、口腔内腫瘍など歯以外の口腔内疾患が原因の可能性があります。
これらが原因の場合は、口臭のケアをいくら行っても改善しません。疾患の治療を行う必要があります。
まとめ
犬の口臭はただ臭いだけではなく、命に関わるような重要な疾患が潜んでいる可能性や、歯周病を悪化させ抜歯が必要なレベルに歯周病が進行してしまうリスクがあります。口臭に気付いたらすぐにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

犬の体臭は日頃から把握しておきましょう。こちらの記事もぜひ。

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