猫の爪とぎを防止する方法はあるの?

2020年7月14日

ゆう動物病院
田積佳和院長

愛猫の爪とぎで、家の壁や柱、家具などが傷つけられ困っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

このアニポスブログは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を掲載しています。この記事を読むと猫の爪とぎというものが解り、対策方法も知ることができます。

猫の爪とぎは本能なので、快適な爪とぎ場を提供することで防止できます。

猫はなぜ爪とぎをするの?

猫には狩猟本能があり、爪は狩猟のための大切な武器です。

その武器をしっかりお手入れしておくことは、猫にとっては重要な行動なのです。猫の爪は多層構造で、常に下から新しい爪が作らるようになっています。ガリガリと爪を研ぐことで古くなった表面の爪がはがれて、新しい鋭い爪が現れるのです。

さらに爪とぎには、マーキングの意味もあります。肉球から分泌される特有のにおいは、他の猫に対して「ここにいるよ」というメッセージになるのです。また、ストレス発散のために爪とぎをすることもあります。

猫の爪とぎとの付き合い方

猫にとって爪とぎは本能的な行動ですから、止めさせることはできません。猫と一緒に暮らすには、猫の爪とぎと上手に付き合っていく必要があるのです。もっと素敵な爪とぎ場所を用意してあげることで、そちらで気持ちよく爪とぎをしてもらい、逆に爪とぎをされると困る場所は研ぎ心地を悪くすることで対策しましょう。

爪とぎ板の選び方

さまざまな形、素材の爪とぎ板が市販されていますので、猫の好みにあったものを選びましょう。


家具や壁など、爪とぎをされると困るものとは違う素材の物を選び、猫が爪とぎ板を区別しやすいようにすることが大切です。

また、素材に関わらず、爪とぎ板は定期的に交換するようにしましょう。爪とぎ板が古くなって研ぎ感がなくなってくると、使ってくれなくなります。


柱や壁などで爪とぎをする子には、縦置き型の爪とぎ板を、床のマットやカーペットなどで爪とぎをする子には横置き型の爪とぎを与えてみましょう。猫が安心して爪とぎできるよう、滑ったり倒れたりしないように設置することも大切です。

最初は爪とぎ板に慣れない子もいるので、まず爪切り板へ連れて行き、爪とぎのまねをさせて、匂いをつけてあげるといいでしょう。


いろいろな形状の爪とぎ板を、家の数カ所に設置してあげると、さらに効果的です。子猫は生後2ヶ月ぐらいから爪とぎを始めます。猫がおうちに来たら、早めに対策をしましょう。

アニー先生
アニー先生

爪とぎをしてもらうには工夫が大切です。

猫に爪とぎされたくない場所の対策は?

繰り返しとなりますが、猫の爪とぎは本能によるもの。止めさせることはできません。

必ずまずは適切な爪とぎ場所を用意してから、爪とぎをされると困る場所への対策を行いましょう。


爪がひっかからないよう、市販の保護シートを貼り付けるのは手軽な対策のひとつです。
また、アルミホイルを巻き付けることでその場所での爪とぎを行わなくなることもあります。

一方ストレスによる過剰マーキングが理由で爪とぎをしている場合には、対策をしても不適切な爪とぎ行動がなかなかおさまらないこともあります。

不安を和らげる作用のあるフェイシャルフェロモン製剤が有効なこともありますが、不安やストレスを感じている原因についても考えてあげる必要があります。かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。

定期的な爪切りも大切です

定期的に爪切りをすることも大切です。爪を切っておくと爪とぎをしても刺さりにくくなり、家具や壁への被害を軽減できるだけでなく、爪切りをする際には爪の状態をチェックもすることができます。


高齢になると関節痛などが原因で爪とぎが苦手になり、分厚く鈍な爪になってくる子もいます。ひどい場合は巻き爪になって肉球に刺さり、化膿してしまうこともあるので、高齢の子はもちろん、高齢になる前から定期的に爪の状態をチェックしてあげましょう。

アニー先生
アニー先生

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著者・田積佳和先生のプロフィール

山口大学農学部獣医学科卒業。ゆう動物病院(兵庫県加古郡播磨町)院長。

JAHA認定・総合臨床医。【所属学会】(ISFM(国際猫医学会),日本獣医皮膚科学会,日本小動物歯科研究会,日本獣医動物行動学研究会,災害動物医療研究会)

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