犬や猫を飼い始めた飼い主さんはなんとなく「ワクチン」というものを打たなければならないということは知っているかもしれません。
時期についてもよく知らない飼い主さんも多いかもしれません。
このアニポス公式ブログでは現役獣医師が飼い主さんの悩みを解決する記事を執筆しています。
この記事では犬猫の予防接種の時期と、ワクチンの種類などをざっくり説明します。
もくじ
子犬と子猫のワクチンの接種時期はいつ?
・幼少期は2~3回以上のワクチン接種
・母親の初乳に含まれる移行抗体がなくなる時期に1ヶ月間隔で複数回&最終ワクチンが生後16週齢以降になるように接種
(8~12週齢だが個体差があります)
ざっくりと、母親の初乳に含まれる移行抗体がなくなる時期から接種します。
母親の初乳に含まれる移行抗体により子供は感染症から守られていますが、その移行抗体がなくなる時期(8~12週齢だが個体差がある)に1ヶ月間隔で複数回、最終ワクチンが生後16週齢以降になるように接種します。同じワクチンを2回接種することでワクチンの効果を高め、持続させる目的があります。
幼少期は2~3回以上のワクチン接種が推奨されています。
ワクチン接種の例
生後2ヶ月:1回目のワクチン接種
生後3ヶ月:2回目のワクチン接種
生後4ヶ月:3回目のワクチン接種
成犬と成猫のワクチンの接種時期はいつ?
生後6ヶ月、生後12ヶ月、最終接種より1年後が一般的
追加接種(ブースター)を行う時期は病院によって推奨の時期が異なりますが、生後6ヶ月、生後12ヶ月、最終接種より1年後が一般的です。
初年度接種、追加接種(ブースター)が終わったら、コアワクチンは3年毎の接種が推奨されています。最近までコアワクチンの免疫持続時間は1年とされており、年1回の接種が推奨されてきました。しかし近年、抗体の免疫持続期間は数年、最長では終生持続することが分かりました。防御抗体の有無を調べる血清学的検査キットがあるので、抗体が残っているか確認しながら接種間隔をあけることができます。
一方、ノンコアワクチンの免疫持続期間は1年とされています。そのため必要に応じて1年毎の追加接種が必要になります。
また犬は狂犬病予防法という法律があるため年に1回、4月から6月に狂犬病ワクチンを接種しなければならないと定められています。

狂犬病についてはこちらの記事も参考に。
ワクチンに含まれる病気は?
ワクチンの種類は全ての動物が接種すべきコアワクチンと、生活環境に合わせて接種を推奨されるノンコアワクチンに分けられます。
コアワクチンとは、致死率が高く、伝染性が高い病気を予防するワクチンで、生活環境に関わらず全ての動物が接種すべきワクチンです。
ノンコアワクチンは生活環境により必要に応じて接種すべきワクチンのことを言います。
犬のコアワクチン
犬のコアワクチン(必須)
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎
・犬伝染性喉頭気管炎
犬のコアワクチンは、犬ジステンパーウイルス感染症、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬伝染性喉頭気管炎を予防するために接種します。
犬のノンコアワクチン
犬のノンコアワクチン(任意)
・犬パラインフルエンザウイルス感染症
・レプトスピラ症
・犬コロナウイルス感染症
・犬伝染性気管気管支炎
犬のノンコアワクチンでは犬パラインフルエンザウイルス感染症、レプトスピラ症、犬コロナウイルス感染症、犬伝染性気管気管支炎などを予防します。愛犬や生活環境によって接種を推奨します。

犬の混合ワクチンについては別の記事がありますので、こちらもご参考に。
猫のコアワクチン
猫のコアワクチン(必須)
・猫汎白血球減少症
・猫カリシウイルス感染症
・猫ウイルス性鼻気管炎
猫のコアワクチンでは、猫汎白血球減少症、猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎を予防するために接種します。
猫のノンコアワクチン
猫のノンコアワクチン(任意)
・猫白血病ウイルス
・猫クラミジア
・猫免疫不全ウイルス
猫のノンコアワクチンは、猫白血病ウイルス、猫クラミジア、猫免疫不全ウイルスを予防するワクチンがあります。生活環境に応じて、接種するワクチンを獣医師と相談して決定しましょう。
まとめ
ワクチン接種の時期はその子によって若干異なりますが、必須のコアワクチンと、お住まいの環境によってノンコアワクチンを接種するか判断しましょう。
ワクチン接種の前後で気をつけたいことなどはこちらの記事も参考に。

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