初めての猫との暮らしに。優先度順・猫グッズまとめ

2022年2月22日

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猫の診療室モモ
谷口 史奈先生

念願の猫との生活を始めようとしている、または始めたばかりの飼い主さん。


理想の生活を想像しつつも、ペットショップを覗くと、魅力的な猫グッズがずらり。どの猫グッズが優先的に必要なのか、困ってしまうことはありませんか?

この記事では現役獣医師が猫の飼い主さんに向けて、必需品から順に、必要度が高い猫グッズをまとめました。


多くの飼い主さんは家のスペース的にも資金的にも限りがあると思います。

優先的にどの猫グッズを揃えたら良いかの参考にしていただければと思います。

【優先度100%】猫と暮らすために絶対に購入してほしい3つの猫グッズ

1.キャットフード

・”総合栄養食”の記載を確認する

言うまでもなく、絶対に必要です。
主食として必要なのは「総合栄養食」なので、パッケージをしっかり確認しましょう。どれが最適かわからない場合は、動物病院で相談するのもありです。

キャットフードについては別の記事があるのでこちらも参考にしてみてください。

2.トイレ

・固まる砂か、ペットシート併用か
・システムトイレセットも便利
・できるだけ広めのものを


尿で固まる猫砂を使う通常のトイレと、砂とペットシートを併用するシステムトイレに大別され、砂の種類が異なりますのでお買い間違えのなきよう
砂の種類にこだわりのある猫ちゃんもいますが、初めて猫を飼う方は、砂やスコップも全てセットになっているシステムトイレのキットも使いやすいかもしれません。
ちなみに、猫のトイレは広いほうが良いとされています。
市販の猫用トイレはやや小さいものが多いので、なるべく大きいものを選ぶようにしましょう。状況によっては市販の猫トイレよりも大きい衣装ケースなどで代用されるご家庭もあります。

3.キャリーバッグ

・隙間の無い、しっかりと全面が閉まるものを
・日頃から出しておき、出入りに慣れてもらう


通院などの移動に必要なのはもちろん、災害などで避難する時にも欠かせません
普段からリビングに出しておき、中でおやつを食べたりくつろいだりしてもらいましょう
なお、市販の「犬猫用」のキャリーバッグの中には、猫には適さない大きな隙間が開いている物があります。
犬が顔を出す想定で作られているのだと思いますが、猫に使うと脱走のおそれがあるので注意が必要です。
猫に使うキャリーバッグは、必ずファスナーや金具などで全面がしっかり閉められる必要がありますので、事前にしっかり確認しましょう。

【優先度90%】無くても生きていけるが猫のために用意したい7つの猫グッズ

1.食器

・猫が食べやすい設計の猫用食器がベスト

百均の器や、飽きてしまった自分の食器などで代用される方もいらっしゃるかと思いますが、できれば猫用を準備して頂きたいです。
猫用の食器として販売されている器は、猫が食べやすいように高さや角度が調整されている物、清潔に保てるように材質を考慮した物など、猫の健康維持に役立つように工夫されているからです。

2.爪切り

・猫の爪の向きにあった猫用爪切りを

人間用でも代用できなくはないですが、人間と猫だと爪の生える向きが違うので、人間用を使うと爪が割れることも。なるべく猫用を使いましょう。

猫の爪切りについては別記事もあるのでそちらもぜひ。

3.爪とぎ

・爪とぎは本能、やめさせられない

爪とぎがなくても生きていけますが、家がボロボロになります(笑)
爪を研ぐ行為は本能なので、やめさせることはできません。
猫用の爪とぎは色々な種類がありますが、愛猫の好みがわからないうちは段ボール製の安価なものから試すのが良いでしょう。

猫の爪とぎについては別の記事で紹介してるのでそちらもぜひ。

4.ブラシ

・短毛種も長毛種もブラッシングが必要

健康維持のために、短毛種でもブラッシングの習慣をつけましょう。
毛質によって適切なブラシが異なるので下調べしてから購入してください。

5.ケージ

・万が一のときのために普段使いから

スペース的に可能であれば、3段くらいの高さがあるケージを設置しましょう。
その中にトイレや寝床、食器をセッティングしておけば、いずれ愛猫お気に入りの場所になるはず。
そうしておけば、 災害などのいざという時に自分からケージに避難してくれるので、愛猫とはぐれるリスクを減らせます。

6.歯ブラシ・歯磨きジェル

・子供の頃から慣らす工夫を

猫の歯磨きは大変難しいですが、子猫のうちから 遊びやスキンシップの一環で歯ブラシに慣れてもらうと、将来歯磨きできる子になる確率が上がります。
まだ要らないかな?と思う低月齢のうちでも、予め用意しておきましょう。

7.首輪

・迷子札として

迷子札をつけておくために、できれば子猫のうちから慣れされましょう。
強く引っ張ると外れるセーフティーバックルのものが主流です。

【優先度70%】猫との暮らしがより楽しくなる4つの猫グッズ

1.ベッド・毛布

・あったら便利、でも好まない場合も

ペット用ベッドは沢山の種類があり、サイズ感や材質も様々です。
好みも猫それぞれですが、こればっかりは購入して試してみるしかありませんね。
結局、ベッド本体よりも購入時の段ボールでよく遊び、寝床としては飼い主が着古したトレーナーが一番のお気に入り…というのもよくある話ですが、仕方ありません。

2.キャットタワー

・縦の動線で運動させるために

猫が健康を維持するには、上下運動が必要です。
家具の配置などを工夫して縦の動線を確保することもできますが、猫用のタワーなら一気に解決します。

3.おもちゃ

・誤食には要注意

こちらも様々な種類があり、目移りしますよね。
全て購入していたらキリがないので、似たような廃材で遊ばせてみて、気にいるなら専用のおもちゃを購入するという方法もあります。
いずれも誤食には気をつけてください。

4.おやつ

・肥満や病気を招かないように特別用として

漫然とあげると肥満や病気の原因になりますので、特別な時のごほうびとして準備しておきましょう。

【優先度30%】猫との暮らしに場合によっては役立つ3つの猫グッズ

1.猫草

・あくまでも嗜好品

猫は基本的に、毛繕いして飲み込んだ毛はウンチと一緒に排出します。
猫草はあくまでも嗜好品ですから、あれば生活に便利と判断した場合のみ準備すれば大丈夫

2.猫用シャンプー

・基本は猫自身の毛づくろいでOK

猫はグルーミングといういわゆる毛づくろいをするので基本的にシャンプーはする必要ありません。

ですが、お尻や足などがよく汚れる子の場合、あると便利です。
特に汚れがつかない子なら、日常のケアは本人が行う毛繕いで充分なので、特にシャンプーの出番はないでしょう。

猫とシャンプーについては別記事があるのでより詳しくみたい方はこちらもぜひ。

3.リード・ハーネス

・キャリーバッグの脱走対策に

猫のリード・ハーネスは移動時の脱走防止対策として使用します。
ただし、よっぽど慣れた猫でない限り、犬のように散歩させるのはお勧めできません
猫がリードやハーネスを使う場面としては、キャリーバッグに入る時に2重の対策としてつけておく用途です。
洗濯ネットでも同じく2重対策ができますので、猫の性格や状況によっては不要です。

猫と首輪については別記事もあるのでぜひ。

【優先度10%】猫が喜ばないなら飼い主の自己満足かも?な5つの猫グッズ

1.またたび

猫が酔っぱらったようになることで有名なまたたび。
ベロベロになる子もいれば、全く効かない子もいます。
動物病院受診時や、苦手なことに慣れさせる時などに有効な場合もありますが、逆に興奮状態になって手がつけられなくなる場合もあるので見極めが必要です。
また、心疾患がある子は避けてください

2.猫用サプリ

ペット業界は実はサプリメントの流通が盛んです。
通販でも買えますが、動物病院で指示された場合のみで大丈夫です。

3.猫用こたつ

猫が入ってくつろいでいる姿は、非常に可愛いです。以上です(笑)。

4.服

オシャレや防寒のためには不要です。
手術、怪我や皮膚病の対策として動物病院で指示された場合のみ、必要になります。
写真撮影などに用いられる可愛い「衣装」は、あくまでも人間が喜んでいるだけ。
全否定はしませんし、筆者も年賀状用に被り物をつけたことはありますが、「人間のわがままに猫様が付き合ってくださっている」ことを念頭に置いて、着用後の貢ぎ物(おやつ)は忘れないようにしてくださいね。

猫と服については別記事があります。こちらもぜひ参考にしていただければと思います。

5.猫用IOT家電

体重や尿量を測定できるトイレ、活動計がついた首輪、遠隔操作できるカメラ付きおもちゃなど、多種多様な猫用IOT家電が開発されています。
魅力的な機能ですが、正確性や利便性は発展途上と言わざるを得ないでしょう。いずれもまだ「必需品」とは言い難い状況ですので、飼い主さんが興味のある分野でしたら、むしろ飼い主さんのおもちゃとして!?検討して頂くのが良いかと思います。
個人的には、将来的に猫の健康維持の必需品になっていることを期待しています。

【番外編】猫との暮らしにあると便利な4つの猫グッズ

1.洗濯ネット

動物病院への受診などで外出する際、猫を洗濯ネットに入れてからキャリーに入ってもらうと、移動中や処置時のストレスを減らせます
また、 災害時に捕獲する目的で避難用リュックに1枚入れておくと良いですよ。

2.シリンジ

投薬時に使用します。
特に歳をとってきた猫はいつ病気になるかわからないので、日頃からパウチの汁などをシリンジで飲ませて、シリンジに慣れておくと心強いです。

3.ペットシーツ

システムトイレ用ではなく、使い捨てのものです。
そそうの処理にも使えますし、移動時にはキャリーバッグの底面に敷いておくことをお勧めします。
災害時にも使えます。

4.段ボール

もちろん新品を購入する必要はありません。
荷物が届いた後の箱は、猫の隠れ家や遊び場として再利用しましょう。

以上、主な猫グッズとその必要性についてのお話でした。

著者・谷口 史奈先生のプロフィール

動物病院3年、猫専門病院2年半勤務し、2016年8月に東京都品川区東中延に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院・同院長を勤める。猫の飼い主向けの講演・セミナー活動や、猫に特化した雑誌・サイトやメディアの監修や、コラムの執筆など、精力的に活動中。

谷口先生の記事一覧はこちら

猫の診療室モモ公式サイト

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